« ココログの登録者2万人 | トップページ | 徘徊俳人替歌集 其の一 »

2004/03/23

小野撫子という俳人

『平畑静塔対談俳句史』(永田書房/1990)のなかに小野撫子という人物のことが数回出てくる。
どうも戦前の俳壇の一種の恥部のような人物のような感じだな。
京大俳句事件の密告者というのが、よく昭和の俳句史には出てくるのだが(西東三鬼はわざと泳がされて、じつは本当の密告者が俳壇にいたのだなんてやつね)この人物がそれなのか。よくわからん。いまとなってはどうでもいいことだ、とはぼくは思わないのだが。だれかきちんとした証言を生きているうちにしておいて欲しいもの。
この本の楠本憲吉との対談の一部を以下に引く。

楠本 ある意味で、虚子まで弾圧が・・・・。

平畑 小野撫子ね。あれは動脈硬化症で精神病ですよ。おそらくアルコール中毒か梅毒でしょう。

楠本 しかしあれで虚子の座に迫ったわけですからね。

平畑 それは虚子もそうでしょう。あのときに虚子先生がジタバタされたら、伝統俳句も妙なことになってしまったんです。戦争中、花鳥諷詠で一貫されたということは、虚子の見事なところですよ。それは戦争中には国策に添わんことですわナ。討てや殺せやでなくちゃいかんときですから。これはちょっと非国策的ですな。小野撫子はおそらくそれで迫ったんじゃないんですか。もっと俳句は国策に添って、陣中報国的なものにしろと迫ったと思いますが、それをぬらりくらりと逃げて、花鳥諷詠をやられたということは、ある意味じゃ見事だと思うな。

|

« ココログの登録者2万人 | トップページ | 徘徊俳人替歌集 其の一 »

d)俳句」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ココログの登録者2万人 | トップページ | 徘徊俳人替歌集 其の一 »