« 2004年7月 | トップページ | 2004年9月 »

2004年8月

2004/08/27

スキャンダルがぶくぶく

FT.com / World / AsiaPacific - Scandals bubble over Japanese hot springs

Scandals bubble over Japanese hot springs
Japan’s celebrated onsen, or hot springs, are embroiled in a national scandal amid revelations that several inn owners have been surreptitiously filling their baths with tap water, outraging thousands of Japanese and damaging the industry.

フィナンシャル・タイムズのアジア版トップ記事が日本の温泉スキャンダルだったので、ずっこけた。あほやなぁ、というのが一連の事件に対する一般の感想だろうが、こういうズルを平気でやる日本の観光業界と「ようこそJAPAN」キャンペーン(A “Visit Japan” campaign)を総理大臣自らがCM撮ってやる国の正体見たり、てな感じの記事で笑っていいのか、すまんすまんと思えばいいのか、よくわからん・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/08/26

アルカイダのNo.2

ABCNEWS.com : Ayman al-Zawahiri: Al Qaeda No. 2

Ayman al-Zawahiri Second-Most-Wanted Man in the World
March 18 — Al Qaeda leader Dr. Ayman al-Zawahiri, Osama bin Laden's top lieutenant, may be the most influential member of al Qaeda.

ABCの記事は3月のものだからいささか古いが、基本的なことは変化はないだろう。
ナンバー2がどういうものかは中国共産党の周恩来のことを考えればよいか。
以下は、『アラブ政治の今を読む』池内恵(中央公論新社/2004)から。個人的な覚えとして。

しかし九・一一事件そのものに関する限り、貧困は主要な要因ではない。関係する人物の出自・背景を見るだけでもそれは明らかである。ウサーマ・ビン・ラーディンはサウジアラビアの大富豪の子息である。その知恵袋のアイマン・アル=ザワーヒリーはエジプトの傑出した家系に生まれ、父方の祖父はエジプトの宗教官僚の最高位のアズハル総長であり、母方の祖父は民族主義の時代を指揮した政治家でアラブ連盟の初代事務総長を務めたアブドッラフマーン・アッザームである。著名な外科医である父にならって本人も医師となった。

「共存の理念示せるか」毎日新聞2002年9月8日朝刊初出

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/08/12

「風立ちぬ」のお粗末

堀辰雄の『風立ちぬ』については、丸谷才一と大野晋の対談『日本語で一番大事なもの』でこてんぱんにやっつけられていたのが記憶に焼きついている。

 風立ちぬ、いざ生きめやも

この「やも」、たとえば柿本人麻呂の歌
 
  長月の有明の月のありつつも君しきまさばわれ恋ひめやも

にあるように、反語のはたらきをする。つまりこの歌では「このままあなたが通ってくださったら私はこんな恋しい心でくるしむでしょうか、いいえそんなことはありません」という意味。
したがって、「いざ生きめやも」は「生きようか、いや断じて生きない、死のう」となる。
堀辰雄の『かげろうの日記』も「生きめやも」と訳す程度の読解力では、おそらく誰かの現代語訳を参照しながらやった仕事に違いないとばっさり。

ところで、今日読んだ経済学史家の小林昇の『帰還兵の散歩』にも同様の指摘があった。
そのまま引く。

『風立ちぬ』の題名には、ポール・ヴァレリーの詩句が付されている。(中略)そうしてこの詩句は、小説の本文にはいるとすぐ、「風立ちぬ、いざ生きめやも」と訳出されていて、作者自身によると思われるこの訳は、いまでも通用しているようである。 しかし、右の「生きめやも」という訳語は「けっして生きようとはしない」という決意をあらわすものであり、したがって原詩の誤訳であるばかりか、上に「いざ」を置くことも無理である。源実朝の有名な歌に<山は裂け海はあせなむ世なりとも君にふた心われあらめやも>があるのを思い出していただければ十分である。だからここでのヴァレリーの原詩は「風立ちぬ、生きざらめやも」と訳されなければならない。詩人堀辰雄がどうして日本語をこんなに間違い、また読者がそれを受け入れているのだろう。(「気になる些事」1982)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/08/10

その美女の名前はフェイ・レイ

BBC NEWS | Americas | King Kong heroine is dead at 96

King Kong heroine is dead at 96

Fay Wray, who played the screaming girl kidnapped by the giant ape in the 1933 film King Kong, has died aged 96.

1933年の映画キングコングは、あの有名なエンパイア・ステート・ビルディングの場面こそ誰でも知っているけれど、全編を通して見た人は案外すくないのではないだろうか。(ぼくも見ていない)
だから、例の美女がなんという女優であるのかなんてことを知っているのはよほどの映画マニアくらいのものだろう。
96歳でこのたび亡くなったことがBBCに出ている。ふ~ん。

この記事の写真のキャプションは

Fay Wray is renowned as the damsel in distress in King Kong

となっている。
damsel in distress というのは、「助けを必要としている女」(woman in need of help) のことなんだな。こういう言葉も消えてなくなる。女優の死はその象徴、とまでは言わないけれど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2004年7月 | トップページ | 2004年9月 »