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2004/11/01

賢いだけで、愚かさを持たない若者になんの魅力がある

モーターサイクル・ダイアリーズ

長い長い冒険の果てに24歳の青年が見つけたものは──

1952年、医学生のエルネスト・ゲバラはアルゼンチンのブエノスアイレスから南米大陸を縦断する旅に出る。ときに23歳。相棒はふとっちょの生化学者アルベルト・グラナード、29歳。険しいアンデスを越えてタンデムのふたりを運んでくれるのはヘインズ社のノートン500というモーターサイクルだ。名づけてポデローサ号。(スペイン語で「強力な」)
cinema
映画のストーリーはそれほど感心しなかったけれど(理由は面倒くさいから書かない)、この映画、音がすばらしくいいのだ。ラテンのギターの音色(大好きである)だけではない。ポデローサ号が牛の群れに突っ込んで駄目になる直前、石ころ道を疾駆するときの咆哮するエンジン音がほとんど生理的な快感を呼び起こす。
バイクの趣味はないので見当違いかもしれないが、むかし、あるバイク好きが「空冷単気筒エンジンの、どうっ、どうっ、と突き上げてくるあの音と言ったらあんた・・・」とうっとり話していたのを思い出す。まるで女をなつかしむような口振りであったな、あれは。この映画で響きわたるエンジン音がその空冷単気筒なのかどうか、定かではないが、もしそうであるなら、あの男は正しかった。

映画は、現在のアルベルトの老いたクローズアップで終わる。別れから8年後、アルベルトは、革命後のキューバに招かれエルネストと再会した。米国のゲバラ謀殺後は、親友に忠誠を捧げ、ハバナ大学の教授に留まったと映画は伝える。(あれは本物のアルベルトなんだろうか)

というわけで、はじめにもどる。
長い長い冒険の果てに24歳の青年が見つけたものは何だったのだろう。エルネスト・ゲバラの場合は明らかだが、もうひとりの24歳の青年のことを考えていたのだ。イラクで囚われ利用され殺された日本人の青年がやはり24歳だった。

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コメント

このエントリーのタイトルを読んで少し心が休まりました。
本当に、そう思います。

投稿: たまき | 2004/11/03 00:52

どうも、はじめましてです。
まっつんといいます。

映画の最後に出てたのは、本物のアルベルトみたい
ですよ!!

投稿: まっつん | 2005/01/09 23:20

まっつんさん はじめまして。コメントありがとうございました。
どうもそうみたいですね。あれはなかなかいい男の顔だった。

投稿: かわうそ亭 | 2005/01/09 23:38

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