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2004/11/03

土方の俳句

新選組は嫌いなので、悪口を言うことにする。だいたい忠義だの志だのと美辞麗句を並べながら、その実、世の混乱に乗じて一旗あげようとするような質の悪い連中である。その一旗組が失敗したからって敗者の美学と持ち上げる気にはなれない。徳川幕藩体勢が中途半端なかたちで生き残って(慶喜を盟主にしたゆるやかな諸藩連合政権みたなかたちになっていたら、英仏の狙い通り植民地に切り分けやすかっただろう)、近藤だの土方だのが、華族になった図を想像してみればよい。薩長の元勲もいかがわしいが、新選組の方は輪をかけて血に汚れている。
まあ、そんなことはどうでもいいのだが、子母澤寛の『新選組始末記』を読んでいたら、土方歳三の俳句集が出てきておもわず笑ってしまった。笑ったのは、莫迦にしてという意味ではなくて、下手な俳句にむしろ共感してである。ちなみに、近藤はまったくくだらん人間だと思うが、土方は嫌いながらもそれなりに買っている。

同じ佐藤家*で、「文久三年の春」と書いた歳三の俳句集をこの頃発見した。半紙を十枚ばかりとじたもので、表紙には「豊玉集」とある。豊は、自分の名「義豊」の一字をとったものであろう。

 白牡丹月夜/\に染めてほし
 玉川に鮎つり来るやひがんかな
 公用に出て行く道や春の月
玉川に、の句は「や・かな」になっているのであるいは「ひがんはな」ではないかとも思うが、鮎(夏季)と彼岸花(秋季)がしっくりこない気もする。 いずれにしてもいかにも下手だな、と苦笑い。まあ、お互いさまでありますが。

*土方歳三の縁家、武州日野の佐藤彦五郎方

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