重い後味『NIGHT FALL』
『NIGHT FALL』NELSON DEMILLE (WARNER BOOKS/2004)を読み終える。
このエンターテインメント作家の力量にはほとほと感心するしかないなあ。『LION'S GAME』のときも、あっけにとられるようなエンディングだったが、本作はさらに上を行っている。
訳が出るのは来年か。どんな反応だろう。なんかよくわからへん、という評価になりそうな。
国産のエンタテインメント小説はとんとごぶさただが、おそらくこういう結末は編集者が駄目だというのじゃないかなあ。「ねえ、これじゃ読者が納得しませんよ。ハッピーエンドだろうと、アンハッピーエンドだろうと、かまわない。でも、ちゃんとわかるように終わってくださいよ」
最後の二行ばかりを何度も読んで、しばらく考えをめぐらし、うん、たぶん、これでいいだろうと納得する。
いや、やられました。
しかし、あつかった事件(TWA800と911)がどちらも重いものだから読後感もけっこう重い。このフラストレーションそのものが、アメリカ人の終わらない不満と不安をそのままあらわしているのだろうか。
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