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2005/05/24

誤配の可能性に賭ける

イマニュエル・ウォーラーステインの『脱商品化の時代』(山下範久訳/藤原書店/2004)を読んだ。題名だけ見ると、ビジネス街の書店の棚に並ぶ中身がスカスカのビジネス専門書みたいである。「iPod──アップルの脱・商品化戦略のビジネス・モデル」、なんてね。
(違うよ)
しかし広告代理店やら商品企画畑のみなさんには、勘違いして、とりあえず経費でばんばん注文してもらいたい。間違いでも、読めば面白いに決まっているし、たまにはみなさんも経費でまともな本の販売に貢献すべきであります。なにしろ版元は藤原書店だ。ダイヤモンドやプレジデントではないからね。ああいうところから出ているビジネス本をせっせと読んで、阿呆丸出しの文章をアップしているブログも結構多いが、お友達にはなりたくないものである。
まあ、むこうもそう思っているだろうから、これはおあいこ。こういうのを読書系ブログの棲み分け理論と言う。

と、ここまで書いて、まだ読んでいなかった訳者の「あとがき」を読んで大笑いしてしまった。

(前略)本書はその邦題を、少しばかり思い切って『脱商品化の時代』とした。いささか解釈が強すぎる懸念をなしとはしないが、この邦題によって、いわば本書が日本語の読者に創造的に誤配される可能性に賭けたいと思う。
ははは、なんだ同じことを考えてるんじゃん。
原著のタイトルは『The Decline of American Power: the U.S. in a Chaotic World』、邦題の副題『アメリカンパワーの衰退と来るべき世界」がやや原題に近いが多少ニュアンスが異なっているのはご賢察の通り。個人的には、あまり訳者が題名を「日本語読者のために」いじってもらうのは好ましくないと思っているのだが。

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