加守田章二に感動
私は陶器は大変好きです。
しかし私の仕事は陶器の本道から完全にはずれています。
私の仕事は陶器を作るのではなく陶器を利用しているのです。
私の作品は外見は陶器の形をしていますが中身は別のものです。
これが私の仕事の方向であり 又私の陶芸個人作家観です。
「私の陶芸観」
加守田章二(Kamoda Shoji)
京都国立近代美術館で開催中の「20世紀陶芸界の鬼才・加守田章二展」に行く。
陶芸というかたちを「使って」、これでもか、とばかりに様々な表現の可能性を追求した作品群に驚嘆。たしかな造形。目を楽しませるマチエール。斬新なのになぜか懐かしい意匠。百年前の紬や木綿などの古着のテキスタイルを思わせるような心落ち着く色合い。縄文人にも通じるような土と火の生命感や日本人の精神性。
門外漢のわたしには未知の作家でしたが、思いもかけず素晴らしい出会いでした。
加守田章二(1933年−1983年)
岸和田市生まれ。
京都市立美術大学工芸科で富本憲吉氏に師事、1956年卒業。
日立市の大甕陶苑を経て益子に移る。
1967年に高村光太郎賞を受賞。
1969年より岩手県遠野にて作陶。
白血病にて50歳を前に逝去。
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» 加守田章二展 [サイトーアートブログ]
今日から京都国立近代美術館で「加守田章二展」が開催されています。河井寛次郎に引き続き陶芸家なので、陶芸の見方もちょっとわかってきた気がします。ほぼ年代順に展示されていました。最初の方の印象としては、意外とラフな形の作り方をする人だと思いました。この六面鉢とか、直線が曲がって形もゆがんだ感じです。この作品ではありませんが、不発弾みたいな古びた鉄のような表面を作ったりもしています。壺の形はラフなくせに、曲線彫は律儀に刻まれていたりします。曲線彫のシリーズは拡大した貝殻みたいな有機的な形が面白いです。そし... [続きを読む]
受信: 2005/06/22 12:23
» 〔宿命?or 選択?〕 No.63 [折々の記]
陶芸家加守田章二の作品との出逢いが人生の方向を大きく変えたかもしれない。
彼の作品展が京都国立近代美術館で開催されているので、夫と行ってきた。
加守田章二の作品と出会ったのは、大学生のとき。
美術品の展示即売会だった。
モネやシャガールなどと共に展示されている彼の作品に釘付けになった。
「なんでこんなに惹かれるの?」と自分でも不思議なくらい魅入ってしまった。後ろ髪をひかれるようでその場をなかなか動けなかった。その�... [続きを読む]
受信: 2005/06/22 15:49
» 加守田章二展(陶芸) [ブログで情報収集!Blog-Headline/enjoy]
「加守田章二展(陶芸)」に関連するブログ記事から興味深いものを選んでみました。ぜ... [続きを読む]
受信: 2005/09/08 11:09
» 加守田章二 展 [Pocket Warmer]
加守田章二 展 20世紀陶芸界の鬼才 会場:東京ステーションギャラリー 会期: [続きを読む]
受信: 2005/09/14 02:07
» 20世紀陶芸界の鬼才 加守田章二展 [工房通信 悠悠]
陶芸家、加守田章二が49才で亡くなって22年。白血病での夭逝だ。生きていれば72か。
現代陶芸を代表する作家の一人だが、ボクは晩年の華やかな加飾の器を思い浮かべてしまうが、今回180点もの展示作品の中にあって、前半の益子時代、「高村光太郎賞受賞」以前の須恵器風、あるいは灰釉のものに目を奪われてしまった。
中には釉薬を掛け本焼きしたものを、あえて剥ぎ落とし、素焼き部分を露わにしたもの(壺1967)などに魅せる風情にも見入ってしまった。
もとより個展ごとに様々な華やかな作風を見せる... [続きを読む]
受信: 2005/10/04 22:05
» 加守田章二展(10/3) [ex-chamber]
東京ステーションギャラリーにて。(9/10〜10/23)http://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp今回の東京ステーションギャラリーは、いつもと違って陶の展示。でも、いつもと違うのは平面でないということだけで、…... [続きを読む]
受信: 2005/10/06 06:46
コメント
こんにちは。
こちらからもTBさせていただきました。陶芸の面白さに気づかされる展覧会ですね。
投稿: サイトー | 2005/06/22 12:27
こんにちわ。サイトーさんのブログは素敵ですね。これからよろしく。
投稿: かわうそ亭 | 2005/06/22 13:20
昨日、東京ステーションホテルで加守田章二展を見てきました。途中に「私の陶芸観」という文章がキャプションに書かれていたので、手帳にメモしてきました。近くの観客が覗きに来て恥ずかしかったのですが、カタログ代金を節約するため、かんばって最後まで書いてきました。
そして帰宅後、自分のHPにこの文章を載せました。
今日、つい先ほど、加守田章二で検索したところこのブログにたどり着きました。同じ文章が載っているので驚きました。あの展覧会は彼の陶芸観の具現でしたね。
投稿: とら | 2005/09/18 19:41
こんばんわ。「私の陶芸観」は率直に自分のアートに対する姿勢を述べている点で、たいへん好感がもてました。また、作品群をみて、まさにそのとおりだな、と感動したことを思い出します。
とらさんのサイトにもお邪魔しました。今後ともよろしくお願い致します。
投稿: かわうそ亭 | 2005/09/18 21:58