« 黄瀛の詩について | トップページ | 波郷と白泉 »

2005/07/20

OUT OF AFRICA

27223565_c8d73b582a_z

『OUT OF AFRICA』Isak Dinesen (The Modern Library)を読み終えた。
イサク・ディーネセンに関してはこの3月に『草原に落ちる影』(こちらはカレン・ブリクセン名義だが、名前の使い分けは前回の記事を参照してください)を読んだときに簡単にふれた。(ここ)
そのときも、素晴らしい本であるという以外の感想は書かなかった。いや、正確には何も書く気になれなかったのである。
『OUT OF AFRICA』という本もまったく同じだ。困ったことだ。まことに能のないことで恐縮だが、感想はいまのところ書く気になれない。まあ、それくらいよかったのであります。
ところで今回は英語で読んでみたので、その話だけ書いておこう。
イサク・ディーネセンの文章は比較的長いセンテンスが続くのだが、同じ長いセンテンスでも、平明なものと難解なものがくっきりとわかれるような気がした。平明な長文は風景や自然を映像的に描写するときに多くみられ、難解な長文は人間の歴史、文化などを語るときに見られるような気がするが、それほど自信はない。まあ、単に当方の語学力のせいかも知れない。
平明なものはたとえば、こんな文章だ。デニスと一緒に飛行機で鷲を追うすばらしい場面。本書の中でも一番好きな箇所だ。

In the Ngong Hills there also lived a pair of eagles. Denys in the afternoons used to say: "Let us go and visit the eagles." I have once seen one of them sitting on a stone near the top of the mountain, and getting up from it, but otherwise they spent their life up in the air. Many times we have chased one of these eagles, careening and throwing ourselves on to one wing and then to the other, and I believe that the sharp-sighted bird played with us. Once, when we were running side by side, Denys stopped his engine in mid air, and as he did so I heard the eagle screech.(p.252)

ああ、人生は短い、てなことを思わずにはいられないが、こういう文体がこの作家の最良の部分ではないかという気がするな。

|

« 黄瀛の詩について | トップページ | 波郷と白泉 »

c)本の頁から」カテゴリの記事

コメント

私は映画を何度も見てしまったあとで読んだので、本の方はもっと「まじめ」じゃないかって思いました 映画はいちからじゅうまでラブストーリーみたいな感じですけどね それでもメリルストリープがデーニッシュアクセントでしゃべるすべての台詞が素敵だったのが忘れられません
彼女は梅毒で後からも苦しんだそうですが、床にのたうち回っても、泣き言いわない人だったとどこかで読みました 
デニスフィンチハットンもとっても興味深い人だったみたいですね 個人的にはデニスの映画ができればいいなーって思ってます

投稿: にのちか | 2005/07/31 02:00

こんばんわ。わたしはじつは映画を見ていないんです。先日、レンタルビデオ屋で借りてこようとしたら、そういうときに限って誰かが借りていたりする。やれやれ。今度の休みにまた借りに行こうと思ってます。なるほど、メリルストリープはデーニッシュアクセントでしゃべるわけですね。ちょっと前に、「幸せになるためのイタリア語講座」というデンマーク映画を見ましたのが(なかなかいい映画でした)ははあこれがデンマーク語かぁ、と思って見てました。
デンマーク映画といえば、これもディーネセン原作の「バベットの晩餐会」は大好きな映画だったなあ。
なんだか散漫な話でスミマセン。

投稿: かわうそ亭 | 2005/07/31 22:55

はじめまして。
実はかわうそ亭をひそかにお気に入りに登録して、更新を楽しみにしている者です。
この本を少し前から読もうかな、と思いつつ迷っていました。どこか別のところでこの本がとても良いというコメントを読んで少し背中を押されていたのですが、ここで見つけて即日注文し読み始めました。
難しいです。
英語も難しいし、語っている内容が難しいです。
今イグアナ(ノートブックの)のところです。

映画を見ました。
とってもよいので是非ご覧ください。
本の雰囲気をとても良く伝えていると私は感じました。
バベットの晩餐会の映画もよいらしいですね。

投稿: mimo | 2005/08/21 10:16

mimoさん はじめまして。
わたしもこの本、読み上げるのにものすごく時間がかかりました。英語が母国語ではない人だから、平易な英語だろうと思って読み始めたら、おっしゃるとおり難しくてまいりました。でも、この本はむしろそうやって、ごつごつぶつかりながら読む方が結果的にはよかったような気がします。意味をとるために何回も同じところを読むことで、ディーネセンの悲しみに多少は触れることができるような気がしたことです。
mimoさんのブログにもまたお邪魔したいと思います。これからもどうぞよろしく。

投稿: かわうそ亭 | 2005/08/21 21:05

難しいので、ついにnotebookの後半を飛ばしてしまいました。今日farewell to the farm をザーッと読んで終わりにしました。
それでも最終部分は涙がにじむほどでした。
言葉がないほど本当によかったです。
最後まで読んでこそ(どんな本もそうでしょうが)ですね。
またいつかもっと英語力がついてから読みたいと思います。
映画もよかったですが、本には遠く及ばないと今日感じました。
また、お邪魔します。

投稿: mimo | 2005/08/29 22:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23898/5064884

この記事へのトラックバック一覧です: OUT OF AFRICA:

« 黄瀛の詩について | トップページ | 波郷と白泉 »