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2005/08/17

ハリー・ポッター第6巻はベストのひとつ

ハリー・ポッターの第6巻『Harry Potter and the Half-Blood Prince』J.K.Rowling(Scholastic/2005)を読み終えた。
このシリーズは周知のように各巻がハリーの誕生日前の夏から始まり(かれの誕生日は7月31日、ホグワーツ魔法魔術学校の新学期は毎年9月1日である)、そして1学年が終わって子供たちが帰省する6月の第3週で終わるようにできている。したがって、今回ハリーは冒頭で16歳を迎え、6年生に進級したことになる。

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シリーズものというのはたとえば映画「フーテンの寅さん」のように、きまったパターンというものがあって、もちろんこれがマンネリにつながりもするのだが、ハマッた人にはこれがないとものたりないということになる。寅さんで言えば、毎回、せっかく柴又に帰ってきた寅さんが馬鹿なことをしでかしてまたおいちゃんの店を飛び出していくというのがオープニングのお約束。そういえばハリポタも毎回叔父さんの家からオハナシが始まるな。

ホグワーツ魔法魔術学校の課業や行事も毎年変わることはない。
新学期早々の9月第2週からはじまるクィディッチの寮代表選手選抜。ハローウィンのお祭りが10月末。週末のホグズミードでの息抜きは本当に楽しそうだ。クィディッチの最初の寮対抗試合が始まるのは11月。そして12月は前期が終わりクリスマス休暇に入る。ハリーは例年通りウィズリー一家とともに過ごすことになる筈だ。1月、生徒たちが学校に戻り、やがて2月のイースター休暇。3月1日はロンの誕生日。春の訪れる美しい4月はたいていおだやかに過ぎ、5月の終わりにクィディッチの最終戦で優勝チームが決定すると、6月からはとうとう試験が始まる。そして終業式、生徒たちはホグワーツ特急でキングズクロス駅の「Platform Nine and Three Quarters」に向けて出発する。
これが基本的なハリー・ポッター世界の「歳時記」で、本書まで続いている。(注)うつくしく閉じた世界。いつまでもどこまでも続いてほしいと願いながら、読者はそれがかなわない夢であることを知っている。子供から大人になるまでの時間が、はかなく過ぎて二度と戻ってこないことを悲しいまでにわれわれは知っているから……

本書に限ったことではないが、このシリーズは物語の中身にふれることがむつかしい。とくに今回は最終巻となるはずの次回作の前編のような位置づけでもあり、どんなストーリーなのかちょっとしたヒントだけでも読者の楽しみを奪う恐れがあるような気がする。だから、中身の話はいっさいなしだ。ただひとつ、わたしの見るところでは、これまでの6作のなかでも、おそらくベストのひとつではないかと思う。
ああ、いよいよラストが待ち遠しい。

(注)正確には続かない部分があり、もしかしたらこの「歳時記」は次回はどうなるかわからない。ただしこれ以上は書けません。

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コメント

という訳で、かなり遅れて第1巻(これだけしか読んでいない)から今、第一巻も含めて読み直しを始めて居ます。
ウチで第6巻まで全部読んだ人ばかりに囲まれていて、「ハリポタをまだ全部読んでいない人が一番羨ましい」と娘達から私は羨望の眼差しを受けています。
映画より本の方がズッと良いと言ってます。
第4巻までの映画化が終了したかと思うのですが、その結末は、脅しをかけて既に入手済みです。あの人は、やはり曲者だった。映画は見ていないのですが、ご覧になりましたか?

投稿: でんでん虫 | 2005/08/18 21:48

こんばんわ。うん、それはちょっと羨ましいかも。(笑)
映画は一番最初の賢者の石を劇場でみましたが、それ以降はDVDです。アズカバンまで家にありますので、#3までみていることになりますね。よくできた映像ですが、やはり本で読む方がずっといいです。わたしはアメリカ版の方で読んでいますが、あの各章の冒頭に描かれたMary GrandPreの絵がだんだん好きになりました。

投稿: かわうそ亭 | 2005/08/18 22:44

かわうそ亭様

はじめまして。Snapeを名乗っています。コメントありがとうございました。なるほど、たしかにそうですね!読み終えた時は私もブログネームを変えないといけないのかと思いました。本当に第7巻が楽しみになってきましたね!

投稿: Snape | 2005/08/20 19:55

Snapeさま コメントありがとうございました。いろんな意味で7巻はほんとうに待ち遠しいですね。またときどき遊びに伺います。今後ともどうぞよろしく。

投稿: かわうそ亭 | 2005/08/21 00:28

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