日本の選良
休日の朝、ワイドショーを見ていたら杉村太蔵衆院議員(26)の記者会見をやっていた。
あんまり笑ってばかりもいられないが、コメンテーターの意見も街の声も概ね好意的で、「早く料亭に行きたい」なんて、面白いこと言う子だよねえ、あんまり神妙になっちゃうとつまんないよね、という感じ。人なつこい顔立ちで、得してるんだろうなあ。若者の意見を代弁、というと聞こえはいいが、若ければいいってもんでもなかろう。
たまたま、読んでた『辻まことの世界』矢内原伊作編(みすず書房/1977)のなかに、「建設的発言」という風刺画文がある。巻末の「解題」によれば1966年11月から1967年3月にかけて「サンケイ新聞」の読書欄に掲載された「文明戯評」のひとつ。
引用する。40年前の戯評であっても、いまの戯評であってもかまわない。たぶん40年後も同じことだろう。
「建設的発言」
飼育された
若い意見は叫ぶ。
そとへ出たいわけではない。
別の檻が欲しいんだ。
| 固定リンク
「j)その他」カテゴリの記事
- ソングライター、カズオ・イシグロ(2015.07.07)
- オーディオのこと(2015.06.24)
- 読書灯のこと(2014.09.25)
- 恋の奴隷考(2014.04.09)
- 千本の記事(2014.03.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
僕も大金をもらいながら勉強出来る身分になれたら幸せですけど・笑
この短文は面白い。サッカーのトルシエジャパンからジーコジャパンへ切り替わってゆく頃を思い出しました。新たな檻を欲しがっていたのが本当に檻を捨て檻の外へ出ようとした時から強くなったんだなぁと。
投稿: たまき | 2005/09/30 21:34
こんばんわ。
同じく辻まことの言葉から。こちらはシニカルではないもの。ものをつくる人であるたまきさんなら、きっと気に入るのではないでしょうか。
「人を取除けてなおあとに価値のあるものは、作品を取除けてなおあとに価値のある人間によって作られるような気がする」
投稿: かわうそ亭 | 2005/09/30 22:52
いいわあ・・・・・ほんとに良いです・・・・・
投稿: なぎ | 2005/10/01 09:28