がんばれ朝日伝聞社
内田樹さんが朝日新聞をもう取るのはやめた、と書いておられる。「内田樹の研究室」(ここ)
コンテンツが悪いと申し上げているのではない。
「語り口」が気に入らないのである。
「イデオロギッシュ」なのである。
「イデオロギッシュ」といっても、偏向しているとか左傾しているとか、そのようなレベルのことを申し上げているのではない。
問題はコンテンツじゃないんだから。
内容ではなく、そのコンテンツの「差し出し方」が私の疳に障る、と申し上げているのである。
どのような問題についても「正解」があり、それを読者諸君は知らぬであろうが、「朝日」は知っているという話型に対する膨満感が限度を超えたのである。
ははは。
我が家も朝日新聞だが、べつに他の新聞より朝日が好きだと言うわけではない。個人的にはいまのエラそうな朝日新聞は嫌いである。
世代が知れてしまうが、むかし高橋留美子の「うる星やつら」に面倒終太郎くんという愉快なキャラクターがいた。かれは家が大富豪なもんで人に謝るということをしたことがないのね。一応悪いことをしたら謝らなければいけないということをアタマでは知っているので謝ろうとするのだが、どうしてもカラダがそれを裏切っちゃう。謝る相手を前にして「悪かったな」といって、あごをくいっと上げてふんぞり返ってしまうのであります。
今回の、《NHK特集番組改編問題》にからんで秋山耿太郎(こうたろう)社長の記者会見なるものを見て、あはは、面倒終太郎くん健在だ、と笑ってしまった。
我が家では、わたしは朝日新聞社のことを朝日伝聞社と呼んでいる。まあ、どうせ目を通すのは社外の人が書いているコラムぐらいだし、「ののちゃん」とテレビ欄くらいかなあ、多少なりとも愛着があるのは。
朝日新聞をまともなジャーナリズムだと信じている人は、いまではほとんどいないだろう。
もっとも、だからといって、日本社会党が消滅したように朝日新聞も衰退していくだろうと思っているわけではない。
たしかにクオリティ・ペーパーとは恥ずかしくて自分でも名乗れない(まともな神経がもしあれば。まあないだろうけど)だろうが、巨大なメディアというバケモノの機能は持っている。これを生かす道については、マーケットの馬車馬さんのエントリー「しんぶん伊勢丹化計画」がたいへん面白い。(ここ)
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コメント
折角TBを頂いていながらコメントが遅れてごめんなさい。どうも最近せわしない日々を送っておりまして・・・
今日書いたエントリーでもちょっと取り上げましたが、朝日新聞は世界的にも「ちょっとアレな新聞」として認知されてきているのかもしれませんね・・・(なにしろ、リベラルなThe Economistにあそこまで書かれてしまうのですから)。本人たちにどれだけ自覚があるのか、それとも自覚した上でやっているのか(それならば天晴れ)は分かりませんが。
投稿: 馬車馬 | 2005/10/20 20:00
あ、わざわざ、すみません。
ほんと、あの "slavishly pacifist left-wing daily paper" には、笑ってしまいましたね。でも過不足なく朝日新聞を定義している。(笑)
投稿: かわうそ亭 | 2005/10/20 21:54