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2005/11/12

東西非公式恋愛小説

読む本がなくなったので家人の本をテキトーに抜き出す。
『おめでとう』川上弘美(新潮文庫)
『ジョゼと虎と魚たち』田辺聖子(角川文庫)
適当に選んだにしては、この二冊の短編集、どこか微妙ににテーストが似ているのが可笑しかった。
どこがどう似ているのか。PICT0002.JPG
たとえば川上弘美さんの「天上大風」と田辺聖子さんの「いけどられて」。どちらも、男に「別れてくれ」と言い出されてびっくりしたり怒ったりする話なのだが、その驚き方や怒り方の、なんだかずれたテンポがとてもよく似ている。
ただし、川上さんの方はどちらかといえばドライで開放的、快活な諧謔に富み、田辺さんの方はちょっとウェットで閉鎖的、隠微な愉悦に富むという違いがある。
もっとも、このあたりは、東京と大阪の通俗的なイメージの決め付けと思い込みが、わたしの中にあるだけかもしれない。
どちらも、たいへん優れた小説で堪能できました。
なお、タイトルの「非公式恋愛」ということばは、川上さんの小説のなかにあるもの。不倫というとじめじめした印象ですが、非公式恋愛というと、やはりからっとしている。(笑)

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コメント

はじめまして。
最近『英語でよむ万葉集』を読み、こちらのブログに出会いTBさせてもらいました。
素敵なブログですね。

投稿: MARU | 2005/11/16 09:07

MARU さん こんにちわ。コメント&TBどうもありがとうございました。
「お勧めの本」のカテゴリーをざっと拝見して、ご趣味や嗜好に親しみを覚えました。なお、中村天風は『盛大な人生』と『成功の実現』を読んだ(というか読まされたというか)ことがありますが、(眉に唾をだいぶつけましたけど)面白いですね。まあ、あんまり深入りすると、安岡正篤の最晩年の妻であった細木数子の世界みたいになるのが問題ではありますが。(笑)

投稿: かわうそ亭 | 2005/11/16 17:43

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