The Interpreter
「ザ・インタープリーター/ The Interpreter」をDVDで見る。
DVDにはシドニー・ポラック監督による画面サイズとその効果の違いの解説がついていて、これがなかなか面白かった。この映画はワイドスクリーンで撮られてその画面の縦横比率でDVDにされているのだが、テレビ用にパンスキャンされると、映像がどのように変化するかを、この映画のいくつかのカットをつかって説明している。
要点は、パンスキャンされた映像は画面の左右が切られてしまうので、映像に盛り込まれた情報の量が不足してしまうために、当初の映像作家の狙いが生かされなくなるということで、実際のカットをつかって説明されると、なるほどなあと納得する。こんなに違う映像になってしまうのに、わたしがつくった作品だとして観客に見られてしまうのは嫌だ、と言うのは、たしかに無理もない。
この「ザ・インタープリーター」という映画もやはり、ストーリーをきちんと理解しようと思うと、いろいろ辻褄があわない箇所や、無理な設定じゃないかしらと首を傾げるところが多くがあって、どうも気分がよろしくないのだが 、まあ、ストーリーより映像=映画の文法を読みなさい、と言われるとそんなもんかしらと思わないでもない。そういう意味では、これは映画館で見るべき映画だなと思った。
しかし、なにしろニコール・キッドマンがきれいでね。あんまり悪口をいう気にはなれないのであります。
個人的に、気に入ったのは、シルヴィア(ニコール・キッドマン)の兄のノートである。どういうわけか、わたしは人の手書きのノートが気になるたちで、ああいう場面には目が釘付けになってしまうんだなあ。
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コメント
私もあのノートブックがとても印象深く、ドキリとしました。あの表紙の模様、同じものを昔使った気がします。日本にもありました、あのノート。どこのメーカーか、と問われれば確実に答えられないのだけれど。今はもう文房具屋さんにも見られないものですが。兄も姉もあのノートで勉強しました。
投稿: Wako | 2006/03/30 08:17
Wakoさん こんばんわ。
手書きのノート、欧米の人(に限らないだろうけど)は、コラージュみたいに、写真を貼ったり、絵や図を描いたりする人が多いような気がします。この映画のサイモンのノートも、たしか虐殺された人々の身分証明書(?)の写真のようなものを、貼り付けたページがありました。
わたしは、電車で隣り合わせた人が手帳やらノートを広げると、精一杯の横目で、その内容を盗み見するのが常なんですが(笑)ああいう感じのノートは、見た覚えがないですね。
人のノート(とくに欧米の人のユニークなノート)に興味があれば、たとえば、下のリンクなどなかなか楽しいです。
http://www.flickr.com/groups/journal/pool/
投稿: かわうそ亭 | 2006/03/30 20:30