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2006/04/26

山辺の道

今日は京都で月例の句会。

  山の辺の廃寺の沼の花筏        獺亭
  菜の花にによつと石欠け地蔵かな

130681488_0f6c13fc3b_2 先週、山辺の道をひとりで半日かけて歩いたのがどうやら一種の吟行になっていたらしい。そのときは別に俳句にまとめようとは思っていなかったのだが、句会の席でなにかつくらねばならなくなって、とっさにこのときの風景を想起して句作をしていたようだ。もちろん見たままとはかなり違うけれど。

「山の辺の廃寺の沼」というのは、内山永久寺跡という場所である。かつての大寺で、後醍醐天皇が吉野へ落ちたときに一時身を寄せていたと伝えられる。いまは、そういう大伽藍がここにあったとは信じがたい、まったくの廃墟である。もちろん俳句として読む時は奈良の「山辺の道」に特定してもらわない方がいい。
たまたま先週行ったときは、沼に向かって吹く風に乗り飛花が目の前の空間を埋めていた。写真ではうまくとらえることが出来ていないのが残念。風下の沼の岸は花筏が流れ寄せられていた。

130681888_18d0c50617_1 石欠け地蔵は道の辺にあって、おそらくは毎日世話をしてくれる人がいるのだろう、水が湯のみに入れられ花が手向けてあった。菜の花に、にょっと顔を出しているというのは空想の景である。

今日、出句したほかのいくつかの句も、サイドバーの「かわうそ亭の別館」2)時々一句に収録いたしました。いや、別にわざわざ見て頂くほどのものではありませんけれど。
(笑)

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コメント

ここって私の縄張りかな(笑)。
相当な大寺だったのが、明治の廃仏毀釈で、近隣の人たちの略奪などもあり、瓦礫と化したそうです・・・・うちのご先祖も押し寄せたクチなのかしら?ちょっと遠すぎるか・・・
でも、同時期に、近隣の村内のお寺は略奪されたりなんかはしてないんですよね。
なんでここだけ襲われたのかしら。

投稿: なぎ | 2006/04/29 01:14

なぎさん コメントありがとうございます。
なんで略奪にあったかというのは、わたしにもよくわかりませんが、寺を預かる僧侶自体が宗教心をなくしてしまうと、そうなるのかもしれませんね。
以下のサイトにこのあたりのことが書いてありました。
http://www.d1.dion.ne.jp/~s_minaga/sos_eikyuji.htm
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東京美術学校校長正木直彦は次のように記しているという。(十三松堂閑話録)
 内山永久寺は布留石上明神の神宮寺であった。永久寺廃寺の検分に役が出向くと寺僧は還俗した証拠として、役人の眼前で薪割りを以って本尊の文殊菩薩を頭から割ってしまった。さすがに廃仏毀釈の人もこの坊主の無慚な所業を憎みて坊主を放逐した。そのあとは村人が寺に闖入して、衣類調度から米塩醤鼓まで奪い去った。しかし仏像仏具は誰も持っていかず、役人は庄屋中山平八郎に命じ、中山の困惑にも関わらず、預賃料年15円で預からせた。年月とともに、これ等は中山の個人所有になっていった。今藤田家で所有する藤原期の仏像仏画の多くは中山の蔵から運んだものである。古仏・仏画は何でも二束三文であった。金泥の経巻を焼きその灰から金を採る商売が起こった。
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引用終わり。

なにしろ、興福寺の五重塔もはした金で売り払われる寸前だったと言いますもんね。廃仏毀釈のとき。買った人物は薪にするつもりだったとかなんとか聞いたような。

投稿: かわうそ亭 | 2006/04/29 11:07

こんにちは。
山辺の道の吟行に惹かれて読んでいって、羨ましいなと思ってコメントを覗いたら、廃仏毀釈という深刻な話題。

以前、ちょっとだけ調べてみたけれど、明治維新の時の廃仏毀釈は凄まじいものだったようですね。神仏習合が日本の宗教の土壌だったのを無理やり仏教的な色彩を徹底排除した。神道側が今こそとばかりに仏教の寺院から土地も財産も奪っていった。歴史も神道を是とする体制側に塗り替えられて:
 http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2005/07/post_ebde.html

神仏の背中合わせの時遥か

投稿: やいっち | 2006/05/05 03:56

やいっちさん どうもです。そちらの廃仏毀釈についてのエントリー、参考になりました。興福寺の五重塔は薪にしようとしたのじゃなくて、薪で燃やして金属類を取ろうとしていたんですね。なるほど。まあ、なんにしても町田久成のような人物がいたのは幸運でありました。

投稿: かわうそ亭 | 2006/05/05 09:52

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