作歌の上達に薦めたい古典
「短歌研究」7月号の特集をぱらぱらと読む。
第一線の歌人52人に対して「作歌の上達に薦めたい古典」を5冊選んでくださいというもの。
回答をいくつか。
- 岡井隆 古事記・梁塵秘抄・閑吟集・松尾芭蕉集・与謝蕪村集
- 河野裕子 徒然草・和泉式部日記・記紀歌謡・奥の細道・三冊子
- 小島ゆかり 古事記・源氏物語・今昔物語集・伊勢物語・奥の細道
- 永田和宏 古事記・源氏物語・奥の細道・三冊子・平家物語
- 水原紫苑 源氏物語・風姿花伝・楊貴妃・桜姫東文章・心中天網島
回答としては水原紫苑のものが面白い。
ちなみに、「楊貴妃」は能(金春禅竹)、「桜姫東文章」は歌舞伎(鶴屋南北)であります。(ふたつともわたしは知らなかった)
ご本人いわく、鶴屋南北は学生時代に演劇博物館の図書館に通いつめて全集を読んだのだとか。「桜姫東文章」は——
大筋を貫いているのは、昔も今もない、ひとりの「女の子」の物語だ。「女の子」がお姫様であり、荒くれ男の情婦であり、高僧を破戒させる女であり、最下級の娼婦であり、夫とわが子を殺す女であり、やがてまた何事もなくお姫様に戻る。
うん、なかなか面白そうじゃないか。「作歌の上達に薦めたい古典」という設問にはなんとなく反則に近いような気もするが。(笑)
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