テディ・ベアの日?
今日、10月27日は「テディ・ベアの日」だとかいう記事を見かけたので、へえと思って調べてみたのだが、要はセオドア・ルーズベルトの誕生日だということなのね。
あの愛らしいクマ人形が、なんでルーズベルトの愛称をつけられたかは、わたしも知らなかったのだが、もともとはワシントン・ポストに載った一コマ漫画がそのきっかけになったらしい。くわしい内容が知りたい方は、こちらの日本語の記事、あるいはこちらの英文の記事をお読みくださいませ。
ただし、読み比べてもらえばわかるように、この両者、状況説明がかなり異なる。
日本語の解説では、大統領が獲物を仕留められない場合に備えて、狩りの主催者側が確保しておいた子グマだったので、そんなものを殺す趣味はないよとルーズベルトが逃がしてやったという内容になっているのに対して、アメリカ人の説明によれば、たまたま怪我を負った若い熊に行き会ったので安楽死させてやった(ordered the mercy killing of the animal. )という内容になっておりますな。
で、その漫画ってどういうものだったのかしら、と探してみたら、便利な世の中でありますね、クリフォード・ベリーマンの「Drawing the Line in Mississippi」が、ちゃんとみつかりました。
この漫画で見る限りは、日本語の解説の状況に見えますが、もちろん、この一コマ漫画に料理される時点で事実がすり替えられたものかもしれませんね。
まあ、どっちが正しいのかわかりませんが、お子様向けには、アメリカ人の解説はちとハードボイルドにすぎるかもね。(笑)
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コメント
テディベアは日本でもかなり早くから知られていたのでしょうか。賢治の「風の又三郎」の前作「風野又三郎」のなかの又三郎の冒険談(九月八日)に“あの辺は面白いんだよ。白熊はいるしね、テッデーベーヤさ。あいつはふざけたやつだねえ、氷のはじに立ってとぼけた顔をしてじっと海の水を見ているかと思うと俄かに前脚で頭をかかえるようにしてね、ざぶんと水の中へ飛び込むんだ。”と、しぐさに愛嬌のある白熊の形容として登場しますね。
http://why.kenji.ne.jp/douwa/94kazeno.html
投稿: かぐら川 | 2006/10/29 18:31
へえ、こんなところにテッデーベーヤ。
日本人は舶来物には目がないですから、かなり早くから知られていたのかもしれませんね。それにしても、宮沢賢治とテディ・ベアのつながりとはびっくり。さすがはかぐら川さん。(笑)
投稿: かわうそ亭 | 2006/10/29 22:39
netで調べる限りは、テディ・ベアの日本への一般的上陸はずっと遅いようです。
そうだとすれば、賢治の「テッデーベーヤ」はどこからきたのでしょう。「銀河鉄道の夜」に登場する「タイタニック」にも賢治の独特な――テッデーベーヤに類似な――情報アンテナを感じるのですが。
賢治のアンテナについて、3年前(2003/10/15)に書いた拙賢治論?を思い出しました。
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=325457&start=11&log=200310&maxcount=373
投稿: かぐら川 | 2006/10/29 23:36
おまけ:
『テディベアのすべてが知りたい』(若月伸一・佐藤豊彦/講談社/1998.07)という本があるそうです。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4061981315
その佐藤豊彦さんが、3年前の11月16日(=ワシントンポスト紙にベリーマンの漫画が掲載された日)に「テディベア・・・100年の人気と秘密について~リヒャルト・シュタイフストーリー」というコラムを書いておられます。
http://www.toyculture.org/back/000002_031116.htm
投稿: かぐら川 | 2006/10/30 21:05
うちにもあったかしらと、娘の部屋に行って見たら、ちゃんとありました、かなりくたびれたテディ・ベア。やっぱり、かわいいね。
投稿: かわうそ亭 | 2006/10/30 23:17