俳句朝日の休刊
少し前から知ってはいたのだが、「俳句朝日」の3月号に「休刊のお知らせ」が正式に掲載されていた。
まず朝日新聞社出版担当兼出版本部長・神徳英雄の名義で片面に告知文が、つづいて反対側の頁に俳句朝日編集長越村隆二の名前で具体的な対応(俳句朝日賞の取り扱い、すでに受け取っている投句の扱いその他)がのせてある。
朝日新聞社の取締役である神徳英雄の告知によれば「創刊当初からの経営状況は厳しく、最近の出版不況もあいまって、逆風はますます強くなるばかりでした。」とのことだが、大朝日の経営者がいう「経営状況が厳しく」というのは「思ったように儲からなんだ」という意味であろう。創刊が1995年4月なので、十二年もったことになる。
この雑誌、わたし自身は前からあんまり好感を持っていなかった。
そのひとつの理由は、なんだか俳句愛好者をなめているような編集の仕方だったからだと思う。
活字がやたら大きくて、いかにも高齢者にやさしいみたいだが、その裏に、年寄りの素人がひとつ俳句でもという大きなマーケットがあるらしいじゃないかキミ、ひとつ俳句雑誌でもやってみてくれたまえ、といった思いつきみたいな雰囲気があるような気がしていたのですね。—まあ、朝日新聞嫌いだから、偏見があることは認める。(笑)
編集長である越村隆二というのは俳号は越村蔵というらしいが、やはり朝日新聞の社員であるとのこと。編集長就任5年目で「休刊のお知らせ」を掲載することになろうとは思いも寄らなかったとある。
まあ、社員だし儲からない雑誌では抵抗もできませんということでありましょう。
なお、この休刊(実質的な廃刊)については、検索してみると夏石番矢さんのブログにちょっと面白いコメントがあった。創刊のときから、かなりの俳人にけっちんくらった俳句雑誌だったらしいなあ。【こちら】
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コメント
このブログ記事から、私のブログへのアクセスが多いようです。「俳句朝日」なんて、どうでもいい紙くずです。
投稿: Ban'ya | 2007/02/22 07:50
Ban'ya さま
一応そちらのブログの記事にもコメントの書き込みをしていたつもりだったのですが、利用なさっている「biglobeウエブリブログ」の仕様なんでしょうか、会員外のコメントはもしかしたら許可されないのかも知れませんね。どうも失礼致しました。
投稿: かわうそ亭 | 2007/02/22 22:40
コメントの書き込み可能なはずですが、ちゃんと受け取れていないようで、こちらこそ失礼。
「俳句朝日」でアクセス数が増えることは、正直言って、あまりうれしくないです。
人は、マスメディアにだまされたいのかもしれません。あるいは、だまされていたほうが楽なのかもしれません。
投稿: Ban'ya | 2007/02/23 08:19