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2007/03/06

ふたりの譚

以前、エイミ・タン(Amy Tan)の中国名である譚恩美の「譚」というのは本名かしらという疑問を書いた。なにしろおもしろい綺譚の語り手だから、これはペンネームじゃないかなあと思ったのであります。【こちら】
ところが、どうもこの「譚」という名前は、知る人ぞ知る広州の名門一族のファミリーネームであるようだ。
先日『中国共産党 葬られた歴史』(文春新書)という本を手に取ったのだが、最初に目を引いたのは実は著者の名前であった。

譚璐美(たん・ろみ)という。

おや、これはエイミ・タンと同じファミリーネームじゃないか、とちょっと驚いた。そして中身を読んで、また少々驚いた。

この本には譚平山と譚天度という人物が登場するのだが、名前から明らかなように著者とは親戚の関係にある。譚平山は中国共産党が正式に誕生する前に存在した、広東共産主義小組(北京、上海に続いて三番目の共産主義小組)の創設者であり、1949年10月1日に毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言したときには、周恩来や劉少奇、朱徳らと並んで天安門の壇上にいた一人であるという。譚天度は譚平山の甥であるが、やはり中国共産党の創成期からのメンバーの一人であり、まさに激動の中国現代史を生き抜いた最古参の共産党員として百六歳で1999年に亡くなっている。

中国の現代史に興味ある方はお読みなってもおもしろいのではないかと思うが、とりあえず細かい内容は省略する。
もっとも残念なことに、この譚という一族とアメリカの作家エイミ・タンがなんらかの関係があるのかどうかはこの本ではわからない。ただ、彼女の小説によく登場する国共合作の頃の裕福な家庭の中国女性(母親世代にあたる)のイメージはなんとなくつながるような気もするのだが。

412557361_02a6b0980b 譚璐美氏は1950年東京生まれ。本籍は広東省高明県とのこと。(エイミ・タンの『The Hundred Secret Senses』にも高明県が出たような記憶があるのだが、これはちょっと曖昧)現在はニューヨーク在住とあります。
エイミ・タンは1952年生まれ。なお、『中国共産党 葬られた歴史』のカバーには著者の顔写真も出ているのですが、このほぼ同世代の譚さんのお顔は似ているような、似ていないような、写真からはよくわかりませんなあ。

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