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2007/09/23

フランシス・フクヤマ補遺

『アメリカの終わり』の訳者解説から。
フランシス・フクヤマは名前から日系であることは明らかだが、本書の訳者合田弘継さんはあるときフクヤマ氏にこんなことを訊ねられた。
「私の母方の祖父で、河上肇という社会主義者の友人だったカワタ・シロウをご存知ですか」

河田嗣郎(1883-1942)という人は、今回までわたしは知らなかったけれど、京都大学の経済学部のときに河上肇と同僚の教授で、のちに大阪商科大学(大阪市立大学の前身)の初代学長となった人物。山口県柳井市の出身だから河上肇と同郷ということもあり親交を深めたものと思われる。河上肇(1879ー1946)より四歳ばかり年下になるが、戦中に亡くなっている。二人の墓所はともに法然院にあるそうです。

この河田嗣郎の孫には、関西大学学長の河田悌一氏もおられる。

悌一氏によれば、河田家では、京都帝国大学を「恩賜の銀時計」を得て卒業した嗣郎氏を最も彷彿とさせるのがフランシスであると言われてきた。その博覧強記ぶり、「抽き出しのたくさんある頭脳」が似ているのだという。

河田嗣郎の孫であるお二人(従兄弟にあたる)の写真を並べてみました。いかがでしょうか、似ているかなあ。

左がフランシス・フクヤマ氏(1952生)、右が河田悌一氏(1945生)。

Granson_1

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