相関図をつくる
ときどきなんだけど、英語の小説を読んでいて登場人物の関係がよく理解できないときには人物のリストをつくる。さらに複雑な場合は単純なリストにとどまらず相関図を自分なりにつくってみる。
これは本当はかなりメンドクサイので、できればやりたくない。
しかし、まあ、すでに読んだ頁を繰って「えっと、どこかに、この人物について説明があったはずなんだけどなあ。ええいどこだっけ、見つからんぞぉ」なんてイライラしてもう一回かなり長く読むはめになるよりは、急がば回れで、最初にこういう登場人物のリストや相関図を用意しておくと、とくに長編小説の場合はずっと読みがはかどるので、いわば読書のテクニックとして、こういうものをつくるのであります。(同じようなことを丸谷才一さんも言っておられます)
日本語の場合は、文章として読み返さなくても、一回読んだところは、頁を一瞥すればだいたい必要な箇所が飛び込んで来るのだが、英語ではそういうわけにはいかないので仕方がないのですね。
ところが、こういうモノゴトの常として、このリストやら相関図づくりはメンドクサイにもかかわらず(というか、たぶんメンドクサイがゆえに)読書そのものより熱が入ってしまうことがある。なんか、楽しいのであります。
アン・タイラーの『Back When We Were Grownups』は、久しぶりに、この相関図づくりにまではまり込んでしまった本でありました。
あ、もちろん本の内容の方も、この作家らしい、あたたかくてほろ苦い、とても面白い小説。
『あのころ、私たちはおとなだった 』(文春文庫)というタイトルで中野恵津子さんが翻訳されているようですね。
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