野中亮介さんの俳句
「俳壇」10月号にリレー競詠として野中亮介という方の作品「白木柱」が載っている。へえ、これいいじゃないかと思った。
ただし、わたしの見るところ、偶然かもしれないが、前半に佳い句が集まっていて、うまくこの人の頁に目がとまるようになったのだと思う。後半の句から始まっていたら見落としていたかもしれない。
こんな句だ。
空海の筆勢夏に入りにけり
山々も胡座をかけり冷し酒
夕立が馬穴の尻を打ち騒ぐ
分校の廊下走るな羽抜鶏
でぼちんの瓜盗人でありつるよ
柳家も三遊亭もどぜう鍋
雨乞の幣のもつとも日焼けしぬ
作者は「野中亮介(馬醉木)」となっていて、お名前は「りょうすけ」とお読みするのだろうと思ったが、現代俳句協会の作者データベースによれば「きょうすけ」というよみがながついている。こちらには「苗代と死者を隔つる白襖」という句をあげてあるだけで、生年、句集名などの情報はない。
一方、ウェブ上の「俳句人名辞典」によれば
野中亮介(のなか・りょうすけ)1958(昭和33)・3・30−・「馬酔木(あしび)」「花鶏」・『風の木』・<鹿の斑のかそけき梅雨に入りにけり>
となっている。
昭和33年生まれだとすると、わたしより三つばかり若いが、まあ、ほぼ同世代に近いと見てもいいだろう。なんとなく作品に親近感(ああ、おれもこういうのが詠みたいんだよねという)を抱いたのは、そういうことも多少影響しているのかもしれない。
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コメント
いつも興味深くかつ楽しく拝読させていただいております。今回の野中亮介さんの句、私もとてもいいと感じました。他のあざとい記事に気が行ってしまい、実は見逃しておりました。かわうそ亭様のご指摘があり、ページを捲ってみて同感、共感しました。なかなかだと思います。注意を喚起していただいたこと、感謝します。
投稿 百鬼 | 2007/10/03 04:45
こちらこそ、ありがとうございます。
日頃から家内に「あんたのしょうもないブログ、ときどきでも読んでくれはる人、三人か四人くらいはいてはんの?」と馬鹿にされ
「アホぬかせ、たぶん七人か八人くらいはいてはるわい。—いやまあ、たぶん五人か六人はいてはると思うが・・・うん、まあ、三人か四人くらいやろかな」
と力ない返答をしておりますので、こうして「読んだよ」とコメントをしていただけるととても心強いのであります。(笑)
そんなことはさておき、野中亮介さんの句は、いかにもわたしの生まれ育った村や山や田んぼや小川や空や雲や雨や虫などの記憶を呼び覚ましてくれるようでなんだかちょっとだけ幸せな気分になりました。
たのしい俳句です。
ご同意くださって、まことに嬉しい。
投稿 かわうそ亭 | 2007/10/03 15:14
夫というのは全然立派にも素敵にも見えないものみたい。。私は自分を振り返り笑ってしまいました。いやいや、そうではない世の奥様も多くいらっしゃるとは思いますが。。
かわうそ亭さんのブログの更新を楽しみに待っている人はた~くさんいらっしゃると思いますよ。私はもう数年来のファンです。博識で落ち着いた感じで、最初は自分の父くらいのお年のかたかなぁ…と思っていました。読んでいるうちに自分と同年代だとわかってきて、最近1歳違いなんだ…とわかりました。
当初は俳句関係の文章は飛ばしていたりするくらい興味がなかったのに、今月から句会に入会しました。これは決して興味があるからではなくて、消去法で句会しか入るところがなかったという理由からです。でもかわうそ亭さんの紹介で「花衣ぬぐやまつわる…」も読んで感動しましたし、池田澄子さんの俳句はとても好きと感じるので何とか続けてみたいと思います。今回ご紹介の俳句は、残念ながら今の私には全然わかりません。
投稿 mimo | 2007/10/08 18:43
わたしの好きなネルソン・デミルの『ゴールドコースト』にこんなことばがあります。
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国同士はときとして戦闘状態になる。結婚したカップルはいわば永久戦争の状態で生きていて、ときたま武装休戦があるだけだ。
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ははは。
俳句を始められたんですね。俳句は一人でもできるし、何人かのひとと一緒でも楽しい。ほんの短い時間でもできるし、長い時間遊ぶこともできるというなかなか重宝な娯楽だとわたしは思っています。たのしい俳句生活をお送りくださいませ。
投稿 かわうそ亭 | 2007/10/08 21:49