答えはもうある
「ユリイカ」の1月号の特集は南方熊楠。
池上高志と茂木健一郎の対話「われわれは皆クマグスである !?」のなかで、池上さんがこんな発言をしている。
だけど、本当に解きたい問題がある時は答えはもうあるということをなんとなく知っていることは結構大事だと思う。答えがあるかどうかを考える時は、それはすでに無意識に確認されているというか。
昨日、NHKの「クローズアップ現代」を見ていたら、例の人工多能性幹(iPS)細胞の発表で、再生医療の分野の研究に画期的なブレイクスルーを果たした京都大学再生医科学研究所教授の山中伸弥さんを国谷キャスターがインタビューしていた。
ほとんど無限にあるはずの遺伝子の組み合わせのなかで、このiPS細胞を作り出すたった四つの因子をどうやって特定していくのか、素人にはもちろんよくわからないが、山中教授のグループがヒトの皮膚細胞からこのiPS細胞をつくりだしたことを発表したちょうど同じ日に別のアメリカの研究グループもほぼ同じ結果を発表したそうだから、本当に解きたい問題に答えがあるときは、答えがあることがあらかじめわかっているというのはなかなか説得力のある知見であります。
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