クラウド・コンピューティング
「CNET Japan」のビル・ゲイツのインタビューを読んでいたらクラウド・コンピューティングという言葉がでてきた。
なんでクラウド(雲)というのかよくわからないけれど(インターネットを雲の形で表すんだとかいうのだが、なんのこっちゃ)これは要するに、現在そうであるように一台ごとのパソコンに組み込むかたちでのOSや、そのOSの上でしか動かないアプリケーションには未来はないみたいね、ということだろう。
どんなパソコンだろうと、携帯端末であろうと、ウェブにつながれば、ウェブ上のアプリケーションで文書を書いたり表計算をしたりベータベースをつくったりできる。自分専用の音楽も写真も映画もウェブの中だけで楽しんだりデータをためたり管理できる。
わたしたちに必要なのはブラウザーだけ。
つまりいまでも普通のユーザーにとっては、パソコンというものは、つまるところ見やすいディスプレイ、手になじむキーボードとマウス、そして必要ならプリンターという機器があればそれでいいのだと思う。これまで、わたしたちが大仰にコンピュータの「本体」なんて言っていたものは、たとえば万年筆や腕時計やブローチくらいの大きさのデバイスにできるだろう。あるいは携帯電話の機能のひとつに統合するほうが現実的かもしれない。
会社や自宅や街中のカフェに、ディスプレイとキーボードだけが置いてあれば、この小さな「本体」デバイスを差し込んで(あるいは無線でコネクトして)、いつでもどこでもシームレスにやりかけの作業が、まったく同じコンピュータ環境で継続できる、というのは当面の未来像だろう。その先は?まあ空想できることはあるけれど、いまはやめておく。
OSやアプリケーションのバージョンアップは「雲」の上で行われる。わたしたちの「本体」デバイスは、インターネットにつなぐだけ。こうなりますと、最新OSの発売というおなじみのイベントは無意味になりますな。
わたしたちはついにOSのバージョンアップやらアプリケーションのインストールから解放されるのでありましょうか?
ビル・ゲイツが言う近い将来のクラウド・コンピューティングというのは、たぶんそんな意味だと思うのだが、これを、これまで、ユーザーをOSとそのアプリケーションに縛り付けることで、悪辣に稼いできたマイクロソフトの(かつての)親玉が言うのだから、恐れ入る。
こんな風にOSレベルまでもが「雲」の上に行ってしまうと、一般のユーザーにとってはコンピュータがまったくのブラックボックスになってしまって問題だという意見もあるらしい。まあ、わたしにとっては、いまでも十分にブラックボックスでありますから、別に変わりはないのですが、コンピュータ・サイエンスの学生なんかは、かえってMS-DOSのファンがいたりするらしい。なんとなくわからないでもないけれど。
かつて、SF作家のアーサー・C・クラークは、こんなことを言っておりました。
十分成熟した技術というものは、すべて魔法と見分けがつかない。
| 固定リンク
「8)コンピュータ」カテゴリの記事
- Macの縦書きエディタ(2008.03.19)
- はてなで連句のひとり遊び(2008.02.06)
- フレッツ光をつなぐ(2008.01.22)
- クラウド・コンピューティング(2008.01.19)
- ラシー(2007.12.11)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23898/17750316
この記事へのトラックバック一覧です: クラウド・コンピューティング:





![村上 春樹: 翻訳夜話2 サリンジャー戦記[予定価格] (文春新書)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41WNZF02C4L._SL75_.jpg)














コメント
ブックマークしていましたので、また拝見しました。
世の中で日進月歩が当てはまるのはITの世界だけのようです。さすがのゲイツさんもあたふたされているようで。
マックの新しいノートブックは無線を前提にした造りですね。これも先進的な割り切り方で、またやられた、という思いです。
思い返せば、かって「Insanely Great」というマック黎明期の本にワクワクし(何度も何度も読みました)、アップルという企業の製品開発コンセプトの作り方には刺激を受け続けてきました。
Cloud computingというのは、常に形を変える雲に例えている、とも考えられるのでは。
Ever moving and
ever changing,
clouds in the monitor
投稿 kuniharu shimizu | 2008/01/20 12:26
なるほど、クラウドにはそんなイメージも重ねているのかもしれませんね。地球のどこに行っても空を見上げれば必ず雲のかけらくらいは見つかりそうだし。
今回のマックのノートは、まだ現物をさわっていませんが、ちょっとぐらっとくるなあ。(笑)
投稿 かわうそ亭 | 2008/01/20 18:23