めがね
近所のシネマで「めがね」を見る。
先日(2月16日)のベルリン国際映画賞でザルツゲーバー賞をとったそうであります。
わたしは、大企業や広告代理店がからんだロハスだとかスローライフだとかいうごたくが好きではありません。そういうたぐいのCMや広告を見るたびに「けっ」と思うような人間ですので、この映画についても、率直に言えばずいぶんと辛辣な感想も抱くのではありますが、まあ、わざわざそんな人のいやがるようなことを書いても仕方がない。
気に入ったところを書きましょう。
荻上直子監督の前作「かもめ食堂」の成功の要素のひとつは、ふだんのわたしたちの食べ物—おにぎりやしゃけや豚の生姜焼きなどを、いかにも自然においしそうにクローズアップでスクリーンに映し出して見せた手柄だと思います。こんなふうに、なんでもないように撮るのは、ほんとうはすごくむつかしいはずなんですね。
「めがね」では、これをさらに洗練させたかたちで見せています。お昼時のちょうどおなかが空いた頃の時間帯に見たものだから、よけいお惣菜がおいしそうに見えました。大きな伊勢エビをひとりひとりが一匹まるごと、ばきばきと折りながら豪快に食べるシーンもよかったのですが、いちばん参ったのは、梅干しですね。生唾がわいて、わいて。(笑)
もたいまさこは「かもめ食堂」のマサコさんをそのまま持ち込んだような演技で、それがいささかやり過ぎの感があって、ちょっといただけなかったのですが、今回は市川実日子と加瀬亮が映画を救っていましたね。このふたりがいなかったら、この作品の印象はまたかなり違った感じのものになっていただろうと思う。
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