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2008/08/25

英単語の暗記法

英単語の暗記法で、最近、これはけっこういけるかもしれないと思った発見がある。
ただし、こういうのは、たまたま自分にだけ当てはまることで普遍的なことではないかもしれないし、あるいはみんなに有効だとしても、それはすでによく知られた方法で、なにをいまさら発見などと大仰な、なんてことにすぎないのかもしれない。
だからまあ、ぼそぼそと小声で言っているのだと思って読んでいただければ結構です。

2795831853_e7d333cac0 きっかけは脳のはたらきについての本だった。(小声にしては出るところが大きい(笑))
こまかいところは端折って要点を言うと、はじめからバイリンガルとして育った人は、日本語と英語とでは、脳の違う部位を使っているのに対して、日本語を第一言語、英語を第二言語としているようなタイプの人の場合は英語を読んだりしゃべったりする場合も、日本語のときと同じ部位をつかっているのだそうです。
わたしも中学生のときにはじめて英語を習って、だんだんと憶えてきたくちだから、これはなんとなく納得できる。本人の意識としては、英語をまるごと英語として理解しているつもりでも、脳の中では英語を日本語と同じかたちで情報処理しているのだと思われます。

ところで、みなさんは受験生の時代をふりかえってですね、英単語をどのように暗記してこられただろうか。
英単語とそれに対応する日本語を機械的に暗記するのではなく、短文をまるごと憶えてしまうのがいいよ、とは多くの参考書にも書かれていましたよね。じっさい、そうやって憶えたものもある。ビートルズの歌詞なんかで憶えた英単語がそうであります。
だけど、いくらなんでも何十万という単語を覚えるために、何十万という短文を暗記してしまえ、とは無茶だとわかる。
結局、知らない単語は、ギリシア語などの語源的なかたちを経験的に憶えて、それで類推しながら少しずつ増やしていくことになりますが、こういう使用頻度があまり高くなかったり、あるいはちょっと敷居の高いエッセイや論文みたいな文章にだけ出てくる単語は、なかなか頭に残らないものであります。
そういうときにどうやっていますか、ということであります。

じつは、わたしはこれまで、手で書いて憶えようとしていました。
メモ用紙にボールペンなんかで何度も同じ単語を書きなぐるのですね。
ところが、これって、冷静にふりかえってみると労力の割には(指にペンだこはできるし、手はくたびれるし)あんまり効率がよくない。そのときは頭に入ったつもりになっているのですが、数日後にはすっかり忘れてもとの木阿弥。

で、ふと思った。
こういう「手で覚える」式の発想というのは、これは漢字を憶えるときのやり方を踏襲しているのではないかしら。
漢字というのは、画数が多くて見た目はややこうしそうなものでも、実際に何度か紙に書いてみると、わりと簡単に憶えてしまうものですよね。その字を電話なんかで相手に説明するのはむつかしいが、ペンをもらうとあたかも手が憶えているかのようにすらすらと書けたりする。

つまりわたしが、これまでやっていたのは、漢字という日本語の文字を憶えるときに使用しているであろうところの脳の部位を、英語という外国語の単語を憶えるときに無理やり使おうとしていたのではないか。とくに漢字はもともとは図形パターンですから、これを記憶のなかに焼き付けようとするときに使う脳の部位は、たぶんそういう情報処理に向いたところだと考えるのが正しいような気がします。
しかし、英単語と言うのは、外国語であると同時に表意文字で、単語そのものの図形パターンを憶えるようなものではない。

では、英語を母語とする人はどうやって英単語を暗記するのであろうかという設問は、つまるところスペリングの暗記ということになります。だって、よほどむつかしい言葉でなければ意味やその言葉のニュアンスは母語だから覚える必要がないんだもの。
アメリカの子供たちがスペリングの確かさを競うスペリング・ピー(SPELLING BEE)というコンテストがありますよね。あれ、もちろんわたしは実際に見たことはないのですが、たしか子供たちは頭の中でアルファベットを並べて、マイクに向かって発表していたような気がします。
たとえば「subsequently」なんて言葉が出てきたら、かれらは「エス、ユー、ビー、エス、イー・・・・」なんてかたちでこれを思い出そうとする。

つまり、わたしが言いたいのは、もしかして英単語と言うのはそういうふうに暗記するときに使用される脳の部位を活用するのが、日本人にとっても効率がいいのではなかろうか、というものでした。
わたしたちは、英単語を憶えるときには、スペリングを正しく覚えるということより、その単語がもつ意味を憶えることを重視していると思いますが、むしろスペリングを、アメリカ人の子供が暗記大会のために覚えるようなかたちで憶える真似をしたらどうだろうか、というわけ。
知らない単語が出てきたとしますね。たとえばそれが「juxtaposition」(並列)とか「equilibrium」(均衡)とかであったとする。(これ今日のわたしの実際の話)
このときに、メモにこれを何度も書きなぐったりはしないで、ばかみたいだけど、律儀に「ジェー、ユー、エックス、ティー・・・」とか「イー、キュー、ユー、アイ・・・」というかたちで頭に焼き付けようと努めるのですね。すると、不思議なことに、その単語の意味や概念もなんでかわからないけど一緒に憶えてしまっているのであります。

――というのが、まあわたしの最近の発見なんですが、これって錯覚か思い込みなんでしょうか。
しかし、べつに英単語を必死で憶えにゃならんような年齢をはるかに過ぎたいまになって、これがうまいやり方だったと知ってもねえ。うーん・・・(笑)

註)ファンクショナルMRI(fMRI)による脳の画像資料の出所は JT生命誌研究館の下記の解説から。くわしい内容はそこをお読み下さい。わたしの読んだ本とはちょっと切り口が違っていますが、意味は基本的に同じ。
(こちら)

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