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2009/08/04

しみじみ読むイギリス・アイルランド文学

 『しみじみ読むイギリス・アイルランド文学』(松柏社)は、以前簡単に感想を書いた同じ版元の『しみじみ読むアメリカ文学』の姉妹編。やはり前回と同じく12人の作家を取り上げる。
さすがにうまいなあと思う作品が多いが、今回は、イギリスとアイルランドを無理矢理1冊にしたところが、かならずしもうまくいっていないような感じを受ける。とくに本書におさめられたアイルランドの短編や詩は、この国の歴史や国民性に根ざしている面が強いようなのでそれだけでまとめたほうがすっきりするような気がする。

例によって、覚えとして収録作のリストを書いておく。前回と同じく印象深かったものにwine つけておく。

「誰かに話した方がいい」 ベリル・ベインブリッジ/阿部公彦訳
「敷物」 エドナ・オブライエン/遠藤不比人訳wine
「奇妙な召命」 モイ・マクローリー/片山亜紀訳
「清算」 シェイマス・ヒーニー/岩田美喜訳
「ある家族の夕餉」 カズオ・イシグロ/田尻芳樹訳
「呼ばれて/小包/郊外に住む女—さらなる点描」 イーヴァン・ボーランド/田村斉敏訳
「ドイツから来た子」 ロン・バトリン/遠藤不比人訳wine
「トンネル」 グレアム・スウィフト/片山亜紀訳wine
「屋根裏部屋で」 アンドリュー・モーション/田村斉敏訳wine
「五月」 アリ・スミス/岩田美喜訳 
「はじめての懺悔」 フランク・オコナー/阿部公彦訳
「ホームシック産業」 ヒューゴー・ハミルトン/田尻芳樹訳

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b)書評」カテゴリの記事

コメント

ごぶさたです。
カズオ・イシグロにワインの印がありませんね。あまりよくなかったのですね。彼の作品には当たり外れがあるように思います。

ところで、提案です。
かわうそさんは洋書ペーパーバックをたくさん所蔵されているようですね。私は百数十冊もっています。そこで、どうでしょう、お互いに貸しあいをしては。興味がおありなら、仔細はメールで。 
seehaikuhere@gmail.com

投稿: 水夫清 | 2009/08/09 10:46

こんにちわ。こちらこそごぶさたです。
カズオ・イシグロの「ある家族の夕餉」は、悪くはないのですが、日本の話なんですね。せっかくイギリス文学のアンソロジーなんだから、もっとイギリス小説っぽいものが読みたいな、ト。(笑)
わたしの場合は洋書はせいぜい年に数冊読む程度ですから、面白そうな新刊を注文してその気になるまで積んどくのが気楽かな、と思います。

投稿: かわうそ亭 | 2009/08/09 21:20

なるほど。趣味の読書ですから、気楽なほうがいいですね。
アイルランド系の作家では、フランク・マックコート(Frank McCourt)の作品がお気に入りです。学校の先生を定年退職してからピューリツァー賞をとるような作品を書きました。なかなかやります。

投稿: 水夫清 | 2009/08/10 09:57

Frank McCourtの作品は、Angela's Ashes と 'Tis の2冊が翻訳されていますね。それぞれ『アンジェラの灰』と『アンジェラの祈り』というタイトルで新潮社から出ておりまして、わたしはこの翻訳で読みました。そのときの簡単な覚えはこちら。
http://kawausotei.cocolog-nifty.com/easy/2005/04/post_a85b.html
英語教師として勤めていたピーター・スタイビサント高校は私の好きなジャズピアニスト、セロニアス・モンクの母校でもあるらしい。
いま、ネットで検索したら、偶然ですが先月19日に亡くなっておられたことがわかりました。享年78歳。

投稿: かわうそ亭 | 2009/08/10 20:07

そうですか、お亡くなりになっていた、、。好きな作家なので、もう少し書いてほしかった。
和訳がどんな感じなのか分かりませんが、原本は、難しくない言葉で書かれていて、ナレティブのうまさが光ります。『Teacher Man』も読みました。ずいぶんいろいろな学校を渡り歩いたことが分かります。生徒とのやりとりのおもしろさで最後までいっきにひっぱります。やはり、ナレティブがいい。"'Tis"ってなんだろうと思っていましたが、It isを口語的に書くとこうなるのですね。「そうです」という感じか。

投稿: 水夫清 | 2009/08/11 11:40

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