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2009/09/30

読めない日本語

Yosinokuzu_3 インターネットがあれば、たいていのことはわかるようになって便利な時代である。
出先であっても電子辞書ひとつで国語辞典も古語辞典も漢和も英和も和英もほぼ間に合う。なにしろアレには歳時記だってついているのだからまいるね。
ところが今日のこと、あらためてこれは紙ベースの辞典類じゃないとわからないかもしれないなあと痛感した調べものが出て来た。

大谷崎の『吉野葛』を読もうと図書館で借り出した本が昭和14年の創元選書版だったのはいいのだが、作中の手紙文のくずし字(でいいのかな)が読めない。(泣)まあ、そんなに細かいことは気にしなくてもいいのだろうが、こういうのはちょっとひかかると先に進めないのですね。
ちょっとまえに古本屋で古文書の用例、くずし字の読み方などをまとめた本があって、買おうかどうか迷ったのだが、結局、買わずにいたのが悔やまれる。
喉元まで出かかっているのだが、読み方がわからない。ほんの70年ばかりむかしの本読みには苦もなく読めた(だから谷崎もこれを文中につかう)日本語が、わたしにはもう読めない。お恥ずかしいことであります。
ああ、こういうときに年寄りがいてくれたら—って、よく考えたら、そろそろオレがその年寄りじゃん、いよいよ日本語あやうしでありますよ。(笑)

写真の箇所を引用しておこう。伏字の○がA、●がBである。文脈から考えると●は「候」じゃないかと思う。○のほうは「度く」であろうと推理。違っておりましたら、教育的指導のほどよろしく願い上げ奉り候。

此度其身の孝心をかんしん致●ゆへ文して申遺し○左●へば日にまし寒さに向い●共いよいよかわらせなく相くらされ此かたも安心いたし居●とゝさんと申すかゝさんと申・・・・

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コメント

岩波文庫の『吉野葛・蘆刈』の該当箇所を確認。
B●は「候」という活字で印刷してあります。まあ、これは誰でもわかるね。
ところがA○は、やはり写真にあるのとほぼ同じ「くずし字」がそのまま印刷されています。
さすがにルビが打ってありまして、いや、参ったな、「まいらせそろ」と読むのだそうです。ああ、恥ずかし。(泣)

投稿: かわうそ亭 | 2009/10/12 17:58

・変態仮名は、ある文献を読むために必要に迫られてマスター?しましたが、くずし字はお手上げです。しかしこのようになかば活字化されたくずし文字は、net上になにか情報があると思って探してみましたが、見つけられませんでした。
・ところで、↓のページのデーターべースの「辞典・字典」中の「電子くずし字字典DB」はけっこう使えます。
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller

ここの「窓」にちょっとあたりをつけた文字や読み(「候」や「まいる」)を入力すれば、いろんなくずし文字がでてきます。
まったくあたりがつけられないと、使えませんが・・・。

投稿: かぐら川 | 2009/10/14 22:12

ええ、わたしも、むかしの活版印刷に使用された「くずし字」一覧みたいなサイトがどこかにありそうなもんだと思って、だいぶ探したのですが、残念ながら見つけることが出来なかった。この東京大学史料編纂所のDBもそのときに見つけてはいたのですが、ほんものの古文書を読むわけではないので本格すぎる。(笑)ほんとたかだか70年前のいちおうは活字印刷に使われた文字なんだから、読めないなんてなさけないですねえ。

投稿: かわうそ亭 | 2009/10/15 23:06

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