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2011/06/10

生ゴミ堆肥の作り方

世の中にはいろいろ物好きな人がいるものだが、生ゴミが好きだという人はあまりいないだろう。たいていは台所のシュートや三角コーナーからビニール袋に移して、息を止めてダストビンのふたをさっと開け、中に放り込んだあとはまた密封して、ゴミの日まではできるだけ見ないようにする、というのがふつうのご家庭の処理方法かと思う。
なにしろ夏場は臭うからね。
しかし、総選挙のAKB48ほどではないが、生ゴミにもけっこう隠れファン(たとえばわたし)がいるよ、というのが今回のオハナシ。

たしかに臭くてやっかいなものではあるが、生ゴミは最初から汚いものではない。そもそもは自分たちがおいしいところだけいただいて、いらないところを捨てたのが生ゴミだ。もとをただせばわたしたちが口に入れる野菜や果物や肉や魚の一部なんでありますね。見るのも不潔と嫌うのはあんまりといえばあんまりである。だからもしかするとわたしたちは、生ゴミに対してちょっと後ろめたい気持ちがあるのではないかしらん。
生ゴミ堆肥をつくるのが面白いのは、これまで目を背けて見ない振りをしてきた生ゴミにきちんと向き合えたという手ごたえがあるからではないか、というのは冗談だけれど、実際、多くの人がこれにはなぜかハマるんだよね。

じつは、これまでも農作業の一環として、「ぼかし」をつくろうと二回ばかり堆肥づくりを試みたのだが残念ながらうまくいかなかった。「ぼかし」というのは簡単に言うと有機物を発酵させてつくった半熟の堆肥のことである。堆肥自体は、土いじりをされる方はよくご存知のように、ホームセンターなどにいくとストックヤードに山積みされている。プロ農家のように何トンもつかうのでなければ、20キロの袋でも数百円のものだから、なにも苦労して自分でつくる必要はない。しかし、販売されている家畜の糞堆肥は効能書きどおりに完熟していたとしても、どんな飼料を食べていたのかまではわからない。べつにそこまでこだわるつもりはないけれど、どうせやるなら堆肥も自分でつくりたいのである。
とくにいずれ里山と田畑をリンクさせて農業をやろうという計画なので、堆肥づくりの練習はかならず役に立つだろう。

これまでに二回失敗したのは、どちらも途中で発酵から腐敗に進んでしまったからだった。最初はプラスチックの大型ボックスで、二回目は発泡スチロールのトロ箱で、落ち葉や収穫残滓にヌカと土を混ぜ、ネオコーランという発酵促進剤をいれてときどきかきまぜて混ぜてやると白いカビが出て、いい感じになったかなと思ったあたりで、とつぜん、強烈な腐敗臭を発するようになって、ありゃ、また失敗かという展開であった。
落ち葉堆肥や生ゴミ堆肥の作り方の解説は、農業雑誌やインターネットなどでもいろいろ紹介されていて、それぞれ微妙に言ってることが違うのだが、共通するのは、いい匂いがしたら成功、臭い匂いがしたら失敗という説明である。いい匂いかどうかは個人的な主観だろう、という気もしないではないが、これは有機物が土壌の微生物に分解されて腐植になった匂いで、たとえば森の腐葉土の匂い、山に入ったときの特有の匂いである。

今回、ようやくうまくいったかなというような結果が出たのは、『ひと目でわかる!図解「生ゴミ堆肥」ですてきに土づくり』門田 幸代(主婦と生活社/2006)という本のおかげ。(これはいい本です)

ポイントは、

  1. 土のう袋(ホームセンターでは「がら入れ」という品名。10枚で100円くらい)を使うこと。
  2. 最初に土・米ぬか・野菜くずなどの配合を量って「堆肥のタネ」をきっちりとつくること。
  3. 配合は土1リットル、米ぬか0.5リットル、野菜くずなど3リットル、水0.5リットル。野菜くずや落ち葉の分量は測りにくいので適当になるが、それ以外はきちんと計量できる。
  4. 生ゴミを入れたらそのつど適当に米ぬかをまぶすこと。
  5. 生ゴミの水分だけでほぼ十分なので水を足さないこと。
  6. 土のう袋はレンガやブロックを立てた上に置いて、下からも空気が入るようにすること。

なんてところでしょうか。

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これまで失敗して途中から腐敗のプロセスにはいってしまったのは、たぶん、水の量が多すぎたか、空気が底のほうまで通らなかったせいではないかと愚考しています。
もっとも生ゴミ堆肥作りのプロセスで、好気性の菌と嫌気性の菌がどのタイミングでどう仕事を引き継いでいるのかはもうすこし練習してみなければよくわからない。
「カドタ式」では、一ヶ月程で土に埋めて熟成した堆肥にすることを推奨されていますが、時間をかければ庭や畑がなくても、袋のなかで熟成するとのこと。

いまのところ無造作に土のう袋に放り込んだオレンジの皮、キャベツやニンジンの切れ端、卵の殻やエビの殻なんて生ゴミが、一週間ほどで原型を多少とどめながらもぼろぼろとくずれて土に近くなっていくのを観察するのはなんだかすごく楽しい。写真は生ゴミを入れて3時間後くらいに温度を測ったときの様子。ほんとうは50℃以上にはならないほうがいいのだが、まあ、これくらい熱くなるとちょっとうれしい。

一袋は畑からマンションのお勝手口にもカミさんが持って帰ったけれど、臭いもいまのところ大丈夫のようであります。
本格的なコンポストだとか生ゴミ分解装置なんて大仰なものではない、時間さえあれば数十円のコストでできてしまうところも魅力的であります。



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コメント

はじめまして。
生ごみ堆肥のことを調べていて読ませていただきました。
こんな風に自分で生ゴミ堆肥を作ることもできるんですね~!勉強になりました!

投稿: べえ | 2011/12/14 19:28

こんにちわ。
北海道は鷹栖町の生ごみ堆肥化施設見学記、拝読いたしました。写真で見ても、いかにも感じのいい堆肥に仕上がってますね。素敵です。(笑)

投稿: かわうそ亭 | 2011/12/14 21:21

はじめまして。
この本を購入しました。
そこで・・・誠にお恥かしい質問なのですが、、、
土、野菜くず等「○○リットル」とありますが、
軽量には何を使ったらいいのか?
どうやって計ったらいいのかがわからなくて(^^;;;

投稿: ももっち | 2013/07/02 16:36

こんにちわ。ホームセンターや百均ショップで、1ℓ用の計量カップを売ってますので、それを使われるのがよろしいかと。買いに行くのが面倒なら、洗面器のおよそ半分が1ℓ見当ですね。

投稿: かわうそ亭 | 2013/07/03 15:16

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