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2012/12/09

食べても大丈夫な話

食物の毒性についてはふつうマウスやラットなどの実験動物に対する「半数致死量」という概念が用いられる。ある物質を一定量与えた場合、その半数が死に至る量を意味するんだそうですな。
表示は「LD50(50% Lethal Dose)」で、単位は「mg/kg」である。
たとえば、トリカブトの毒であるアコニチンという物質のLD50はラットの経口で約6mg/kgであるので、あくまで人間をラットに見立てた参考値ではあるが、体重60kgのヒトの場合、360ミリグラム(6×60=360)がこれにあたる。つまり1グラムの三分の一ほどでヤバイわけですな。

法律上は経口毒性でLD50が50mg/kg以下の物質が「毒物」、50〜300mg/kgの物質が「劇物」と分類される、ト。

ただし毒物、劇物といっても、なにも特別なものではなくて、毎日ふつうにわたしたちが口にしている物質も、過剰に摂取すればとうぜん人体には害になるわけで、たとえばお茶やコーヒーのカフェインも法律上は劇物であります。
WikipediaによればカフェインのLD50は200mg/kg。単純に60キロの人であれば、12g(200×60=12000mg)をとれば半数が死に至るということになる。
レギュラーのコーヒー一杯に含まれるカフェインはだいたい100mgくらいだということなので、カフェイン12gをコーヒーで摂取しようと思えば120杯を立て続けに飲む必要がありますね。まあ、こんなことは現実にはありえないから心配はいらないわけだけれど。

辛いものが大好きという人も多いが、唐辛子の辛み成分カプサイシンはLD50が60mg/kgくらいですので、かなり法律上の毒物に近い。
同じく体重60キロの人なら、3.6グラム(60×60=3600mg)が半数致死量になりますね。おやおや、ずいぶん少量で死に至る可能性があるなあという気もするが、だいたいふつうの辛さの唐辛子の場合、カプサイシンの含有量は約0.5%だそうですから、3.6グラムのカプサイシンを摂取するには、720g(3.6/0.005=720g)の唐辛子を一気に食べる必要があることになります。いくらなんでも唐辛子そんなには食えないやね。
ただしちかごろはやりのハバネロの場合は、カプサイシンの含有率が5%とふつうの唐辛子の10倍ですから半数致死量は72グラム。これはリンゴの四分の一くらいの重さなので、丸呑みすれば案外いけるかな、という気もするけど——無理だって。(笑)



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