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2013年10月

2013/10/25

ステンシルのつくり方

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古い木箱を再利用して山仕事用の道具入れを作りました。このまま軽トラに積んでおいてもちょっとオシャレ。(笑)
買おうと思えば、米軍仕様の金属ステンシルもあるようですが、時間さえ問題でなければ、ありあわせの材料で簡単に手作りできます。
  1. 廃材の木箱の泥やホコリをざっと洗い落して、水性ペイントを塗る。ちょっと剥がれたアンティーク風を出すために違う色を二重に塗るやり方もありますが、今回はもともと何十年も前の木箱ですから、単純に白のペイント。

  2. ワープロなどで切り抜く用紙を作成する。太いフォントの方が作りやすい。ちょっと厚めのA4のポケットファイルなどのビニールを切って上に載せる。紙の文字のまわりや上下にスティック糊を適当に塗ってビニールを固定する。

  3. ふつうのカッターで切り抜く。このとき文字の角をあらかじめ錐で穴をあけておくと失敗しない。曲がった部分はシートのほうをゆっくりまわしながら切るとうまくいく。OPRなどの中の部分は切り落とさないように注意。

  4. 木箱のペンキが乾いたらステンシルシートを当ててみて塗り付ける位置を決めて、シートの裏面にスティック糊を塗ってできるだけ板と密着させる。板がざらついて、どうしても隙間ができるので。スポンジを適用な大きさで棒や割り箸などに巻き糸で縛って写真のようなタンポをつくる。

  5. マスキングテープなどでシートを固定したら、発泡スチロールの皿などにアクリルペイントを出してタンポに含ませる。シートと板の隙間で塗料が滲まないように、できるだけ垂直方向に適度な量で軽く叩いて行く。

  6. 全体に塗ったら、そのまま数時間乾かして、シートをはがすと完成。丸太の切り口などの凸凹した表面でもご覧の通り。

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2013/10/23

農工商の子供たち補遺

どちらかといえば自分用の覚えとして。
国文学者の井本農一の名前について、かなり前に「農工商の子供たち」という記事を書いた。(こちら)リンクをたどってもらえればいいが、簡単に要点を書けば、父親である青木健作が、士農工商という言葉から、士を除いて、長男には農一、次男には工次、三男には商三という名前をつけたというハナシである。
いま読んでいる井本農一の『私の季語手帖』(小学館ライブラリー)には、こんな話が載っている。井本さんには二人の弟のほかに妹があったというのですね。

私の妹は花野という名前でした。私が農一などいう変わった名前なのに、妹は名前があんまり良すぎたせいでしょうか、まだ四つのときに急に亡くなりました。
きれいで、頭がよくて、しっかり者でしたから、生きていてくれたらどんなによかっただろうと、今でもときどき思うことです。「死児の齢を数える」たぐいでしょうか。

この本は季語にことよせて作者の思い出などが書かれているのだが、妹の名前が出てくるのは「花野」の項目。「紅葉」という項目には、こんな作者の俳句がさりげなく出ている。

ままごとのお金はもみぢ兄いもと   井本農一

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2013/10/05

ブラックアウトとオールクリア

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コニー・ウィリスの『ブラックアウト』と『オールクリア』を読み終える。
以前『犬は勘定に入れません』の感想をこのブログに書いたときに(こちら)、「二段組みの542頁というのは、それなりに読み応えのあるボリュームなんだろうけど、欲を言えば最低でもこの倍くらいあるともっと嬉しい。」なんて言ったわけだが、本作は倍どころか、確実に三倍はあろうか、という大作。翻訳では原書の『ALL CLEAR』が、1と2の二分冊になっている。参るね。
しかし、ひとつひとつの章がそれぞれクリフハンガーになっているので、長さはぜんぜん気にならない。ええ、どうなるの、これ?と気になって、どんどん先に進もうとする——ところがどっこい、そこは手だれの作者だし、中身はタイムトラベルものだから、オハナシはもつれにもつれる。前に進みたい駆動力と、元に戻って再確認せずにはいられないブレーキが同時にかかるもどかしさ。スピンして目がまわっちゃうよ。
でも、こういうときは、どんどん前に進まなきゃいけない。これがたぶん本書を読むコツである。だいじょうぶ、あとで謎はちゃんと解明されるから。作者を信じて、がんがん読みまくれ。
その甲斐はある。ああ、面白かった。


ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
オール・クリア2 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

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