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2014/04/05

蛇穴を出づ

歳時記にはいろいろ面白い季語がある。今の時期だと「亀鳴く」とか「雁風呂」などをつかった俳句を詠んでみたくなる。ただし実際には亀は鳴かないそうだし、雁の供養もつくりばなしだというわけで、どちらも、見て来たようなウソを吐きみたいなものであります。

やはり春の動物をモチーフにした季語に「蛇穴を出づ」がある。こちらはたしかに、この時期の自然の事象にはちがいないので、見て来たようなウソと言っては失礼になる。だが、多くの俳句作者にとっては、見慣れた光景というほどでもないので、これまた「亀鳴く」とか「雁風呂」のような気分の俳句に近いような気がしますね。

けつかうな御世とや蛇も穴を出る   一茶
蛇穴を出て見れば周の天下なり    虚子

ところで、百姓をしていると、この長いやつとは、あんまりお近づきになりたくなくとも、頻繁に遭遇する。今日も、土手の草を刈りながら、小さな穴を見つけるたびに、うーん、こいつはもしかしてアレじゃないかしらん、などと考えていたら、いましたね。まだほんの子供でしょうか、太い雑草の茎とか、でかい蚯蚓とかと間違えそうなちっこいのが。こういうのはまだ可愛い。いや、可愛いったって、仔猫なら思わず頭を撫でてやりますが、小さくても蛇は蛇ですからね、鎌の先ですこしじゃれてやるくらいですけれど。

蛇穴を出てこなければこなければ   獺亭

P1000978

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