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2015/06/22

英国史ほか

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今週読んだ図書館の本。

『ディア・ライフ』アリス・マンロー/小竹由美子訳(新潮社/2013)
2013年に引退宣言をして、一応これが彼女の最後の短編集になるらしい。そのせいかどうか、どことなく突き放したような寂しさが全体に流れる。だが、決して暗鬱ではない。むしろなにか面白がっているような作者の眼差しがある。本のタイトルにも取られた「ディア・ライフ」という自伝的な作品がこのうえなく美しい。「日本に届く」「アムンゼン」「メヴァリーを去る」「砂利」「安息の場所」「プライド」「コリー」「列車」「湖の見えるところで」「ドリー」「目」「夜」「声」「ディア・ライフ」

『イングランド王国前史 アングロサクソン七王国物語』桜井俊彰(吉川弘文館/2010)
ノーマン・コンキスト以前のイギリス史。著者は、七王国のひとつウェセックスに対しては、現代のイギリス人も他のアングロサクソン王国(ケント、ノーサンブリアなど)より親近感を持つといい、その理由の一つとしてウェセックス王家の血筋が現代のイギリス王家まで続いていることをあげる。1066年のノルマン征服でイギリスの王室はまったく新しい征服王朝にとって変わられたと思いがちだが、その征服者ウィリアム一世の妻マチルダは、ウェセックス王家の血を引いていたからだという。

『私の英国史』福田恆存(中公文庫/2015)
恆存の息子の福田逸訳のジョン・バートン編「空き王冠」を併録。ただし、あとがきによれば、もともとは『空き王冠』を主に、その解説として(日本人には馴染みの薄い)英国史を、ウィリアム一世のノルマン征服以前からチャールズ一世の清教徒革命まで、恆存が書き出したらしい。個人的な興味は、チューダー王朝のヘンリー七世からエリザベス一世までだが、そこがやはりいちばん面白い。
ちなみに上記の、ウリアム征服王朝にウェセックス王家の血が流れているという系図は、本書にもあるが、ウェセックス王家の子孫が嫁したのは、息子のウィリアム二世となっている。一世の妻も、二世の妻も同じマチルダという名前の別人だが、たぶん福田の方が正しいだろう。


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