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2015/10/19

芸人と俳人ほか

Img_0359_2『芸人と俳人』又吉直樹×堀本裕樹(集英社/2015)

活字になった対話というのは、脚色とまでは言わなくとも、編集の過程でかなり加工されるものだから、実際にこのとおりのやりとりがあったということではないかもしれないが、又吉直樹の「打てば響く」といった俳句の理解と成長が見事。

『新訳 から騒ぎ』シェイクスピア/河合祥一郎訳(角川文庫/2015)
新訳と聞くとつい読みたくなるのが沙翁の戯曲。河合訳は初めてだが、頭に入りやすくてよい。台詞としても覚えやすいような気がする。

『本に語らせよ』長田弘(幻戯書房/2015)
長田弘の紹介によってはじめて知るという本や人物や事跡がこれまでも多かった。よい読書の指針だったが、惜しい人を亡くしたという思いがつよい。本書でも、中江丑吉、深田康算、斎藤勇、野村修といった人の名前が印象に残る。なかでも中江丑吉についてこのような記述をメモとして——
中江兆民の息子で、丑吉という名だった。父親は息子が俥(人力車)引きになった場合にもいいようにと、丑吉という名を付けたのだそうだ。自恃によって突っぱって、変わり者と指さされながら、一人の無名の市民の生き方を通した。『中江丑吉の人間像』(阪谷芳直、鈴木正編)という心の籠った一冊に、身近に親しんだ人たちの追憶が集められている。

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