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2020年12月

2020/12/10

蕪村句集講義のこと

東洋文庫から出ている『蕪村句集講義』全三巻を読んでいる。
第二巻のはじめのあたり、碧梧桐筆記の前書き。

明治卅三年八月廿二日夜、根岸子規庵に会する者、鳴雪・主人・虚子・碧梧桐。蕪村句集上巻十八丁裏より一枚。主人は数日前喀血の事あつてより身体の疲労甚だしく、この夜輪講に加らず。傍に黙聴して、時々其意見を言ふに過ざりき。

この蕪村句集の輪講は明治31年の新年一月から始まって毎月子規庵に上記の人々を中心に数人が集まって議論を戦わしていた。子規年譜によれば明治33年(1900年)8月に大量喀血、翌34年より『仰臥漫録』が始まる。そういう時期に、しかしこの人々は時に激しく、時に破顔一笑しながら会を続けていたことになる。

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