h)映画・テレビ

2014/10/05

ぞけさって誰よ

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NHKの新しい連続テレビ小説「マッサン」で蛍の光を歌うシーンがあった。小学生のころ、この歌詞の「あけてぞ/けさは/わかれゆく」のところがわからなくて、てっきり「あけて/ぞけさは/わかれゆく」だと思っていた。メロディーもそういう切れになってるしさ。そうか、そうか、スギの戸を開けて「ぞけさ」というヒトが別れ行くんだと思っておった。昔から、ひとにものを訊ねることが嫌いで、我流で間違ったことを覚えるという悪いくせがあったのであります。ほんとに、もう、ぞけさって誰よ。(笑)

向田邦子の「眠る杯」ですな。

むかしなにかで書いたような気もするが、仰げば尊しにもあるね。「おもえば/いととし/このとしつき」の「いと疾し」を「愛おしい」という意味だと勘違いし、「いまこそ/わかれめ」の「こそ——め」の係り結びを、割れ目と同じように「別れ目」だと思っていた。いや、この歌、もしいまでも卒業式なんかで歌う学校があったらいまの女子高生なんかぜったい、「ちょー、別れ目」と思っているに違いない。「め」は意志を表す「む」の已然形なんて言っても、「やばっ」てなもんだよなあ。

などと、むかしはモノをしらざりき、みたいなことを書いているが、じつは、今日の今日まで勘違いしていた歌詞があったので、恥ずかしながらご披露します。wikiで金比羅さんのことを読んでいたら、「こんぴらふねふね」という例の唄がのっていた。

こうあります。

こんぴら船々 追風(おいて)に帆かけて シュラシュシュシュ

わたし、これ「お池」だと思っておりました。金毘羅さんのおもちゃの船を、子供が小さな池でふうふう息を吹いて走らせてる光景だと思い込んでいた。いやはや、お笑い下さいませ。(笑)

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2014/05/20

キュートな「タイピスト」

ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』によれば、現在のキーボードの配列は、タイプライターが作られた当時、隣接したキーが絡まないように、わざと打ちにくく並べたのだそうですが、フランス映画「タイピスト」のなかに、まさにその早打ちのトラブルが出て来て面白かった。

この映画、見ている途中で、ははあ、これは「麗しのサブリナ」と「マイ・フェア・レディ」へのオマージュだな、とわかる仕掛けで、どちらの映画もお気に入りのわたしは、見ていてとても楽しかった。
時代の設定は1958年だそうですが、クルマとか、ドレスとか、キッチンのインテリアだとか、じつにいい雰囲気。ファッションというのは不思議なもので、いま80年代の映画で、たとえばファラ・フォーセットなんかが出てくると(リアルタイムで見てたときはすごくいいと思ってたのに)、うえー、なんて格好悪いんだ、と思わず赤面するのに、60年代の半ばくらいまでの、フォーマルな装いは、いいセンスだなあ、と惚れ惚れする。

ヒロインのローズを演じたデボラ・フランソワが可愛らしい。何度でも見たくなるいい映画だと思います。これもオススメ。

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2014/05/10

大統領の料理人

フランソワ・ミッテランはフランス大統領を14年にわたって務めた大物政治家。社会党の第一書記でもあり、当初は大企業の国有化政策を積極的に押し進めた社会主義者でありますね。

何回目かのサミットのとき、このミッテラン大統領がドイツのコール首相と、たまたまトイレで並んでおしっこをしたんだそうですな。するとコール首相がやたらに巨体をひねって、ナニを隠そうとする。

「ねえ、ヘルムート、なんでそんなに見られるのを嫌がるのかね?」

すると、コール首相がこう答えた。「いや、フランソワ、だってキミは大きなものを見るとすぐ国有化しようとするからね」

——というジョークとはなんの関係もありませんが、「大統領の料理人」という映画がとても面白かったので、ググってみたら、実話がベースで、この大統領はミッテランだったんだそうな。

映画では、大統領はエリゼ宮の、宮廷料理然とした豪華な料理に反発し、子供の頃に祖母が食べさせてくれたような素朴だが本物の家庭料理を求めている。古い料理本のレシピを暗唱できるほど、食に対するこだわりがつよく、秘書官が真っ青になり、将軍が激怒しても、分刻みのスケジュールのなかで、女料理人と食べ物の話で、予定を狂わせる。いやはや、フランス人てやつは・・・。(笑)

映画に出てくる料理がほんとうに美味そうでため息が出る。おすすめ。

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2014/04/15

花子とアンのこと

NHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」のヒロイン一家とその周囲の農民の様子に違和感を覚えるという意見もある様子。つまり、このドラマ、最初のほうは子供も大人もみんななんだか薄汚いのね。貧困と見た目の薄汚さを安易に結びつけてんじゃないの、というお怒りらしい。
これ、半分はあたってると思う。だって、ちょっとわざとらしいもんね。子供だってみんな栄養状態よさそうなのに、顔だけほこりまみれにしたってねえ。(笑)

ただ、このドラマのテロップを見ると、農民の藁仕事の指導とか時代考証担当とかの名前もでておりまして、いくら水呑百姓だって顔は洗っただろうし、それなりの身繕いはしてたんじゃないのかというのは、たぶん間違い。おそらく、本当はテレビよりもっと薄汚かっただろうと思う。
リアルじゃないと言われたら、時代考証の人は、こんな写真をいくらでも出してきて、だってホントにこうだったんだもの、と説明するだろうなあ。

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まあ、ただ、あくまで朝のドラマですからねえ。ちょっと汚すぎるのではないかという気はしますなあ。

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2012/03/03

カーネーション

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連続テレビ小説「カーネーション」、毎朝欠かさず面白く見ていますが、小野真千子のヒロイン糸子が今朝で終了、夏木マリに引き継がれましたね。バトンタッチもけっこううまくいっているんじゃないか、ちゃんとキャラクターがつながっているように見えました。これからまた、七十代、八十代の糸子がどんなふうにやって行くかたのしみです。

とはいえ、いちおう今日がファンにとっては中締めというか、ひとつの最終回みたいな感じになるのはやむ得ない。作り手の側も、そういう意識がやはりあったような気がします。
昭和48年のだんじりの夜、千代のもとに死んだ善作がやってきて酒をついでもらう。なかなかいいシーンでした。年寄りがときどき混乱して、周囲の人がおもわず顔を見合わせるようになる、というのはどの家にもあることで、それはそういうものとしてそのまま呑み込むしかない人生の一こまである。
あのやさしいおばあちゃんの最期を、こういうかたちであたたかく描いてやるのはとてもいいとわたしは思いました。

この「カーネーション」、もちろん小野真千子がすごいのは間違いないし、わたしも毎回、大笑いしたり涙ぐんだりしどうしですが、もうひとつたのしみにしていたのは次女直子役の川崎亜沙美の登場シーンですね。目が離せない。これは演技とか(そういうのはわたしはあんまりよくわからない)ではなくて、女優本人の迫力みたいなもんが、テレビの画面からでさえこちらに伝わってくるからじゃないかと思います。
いま流しているサントリーのコマーシャルで、松たか子とコシノジュンコの対決シーンがありますが(さすがに広告屋は抜け目がない)、おお、このヒト、あの直子にそっくりだわと頭が反応して、つぎの瞬間、ちがうやろ、こっちがホンモン、となるのはわたしだけであろうか。(笑)

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2012/02/10

オリエント急行の殺人

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デビッド・スーシェによる名探偵ポアロの新シリーズがBSプレミアムで4夜連続で放映されている。イギリスのTVドラマは丁寧な作り込みで大好きである。最近ではBBCの「SHERLOCK シャーロック」の3つのエピソードがよかったなあ。録画して三回も見てしまった。あのスタイリッシュな映像、はやく第2シリーズを放映してほしい。

さてポアロである。昨夜は「オリエント急行の殺人」。
まあ、いまさらオリエント急行でもないか、映像化ならバーグマンが助演賞を穫ったむかしの映画で十分だ。パスしようと思ってたのだが、家族につきあって見てみたら(見はじめたほうは例によって途中ぐうぐう寝てましたが)これが意外や意外、じつに面白かった。

いかにミステリの古典中の古典といえども、はじめて読む(または見る)という世代は次々にでてくるわけだから、そのトリックをべらべらしゃべるのはエチケットに反する。——というわけで、これはアレですよ、としかここでは書かないが、ポアロの灰色の脳細胞が導き出した真相はもちろんアレである。その点ではエンディングを知っている人にはなんの目新しさも意外性もないのだけれど、それでもわたしはこれをたいへんよくできた原作の新解釈として評価するなあ。

とくにこれは映像化であるからして、ほかにもあるとはいえ、わたしのようなふつうのミステリファンや映画ファンが比べるとすれば、上に述べたシドニー・ルメット監督の遺作、1974年の映画であろう。あれもたいへんよくできた映画だったけれど、ラストがとくにそうであったように印象は明るい。
今回のオリエント急行は、あれと違う、かなり苦い味わいに仕上げている。たぶん、クリスティの原作は前者に近いと思うが、いまさらオリエント急行なんて、というわたしのような先入観が多くの視聴者にあるのは間違いないだろうから、そういう一種のハンデを背負った役者や製作スタッフがああでもないこうでもないと、徹底的に討議した(かどうかは知らないが)結果、こういう解釈で戦おう(?)ということになったのではないかしらん。

その解釈がどういうものであるか、ということもまあネタバレになるからここでは書かないが、真相のアレはさほど重要じゃないというのがまあ新しいのね。でもって、わたしが面白いなあと思ったのは、現代のわたしたちの感覚からすると、そんなんあたりまえじゃんという「裁き」のありかたに対して、ポアロが見せる苦悩でありますね。考えてみると、現代のわたしたちにはこういう苦悩がすっぽり抜け落ちている。ラストシーンに出てくるポアロの数珠のクルスが象徴するものをもういちど考えてみるのもいいかもしれない。
まあ、ミステリはもっとお気楽な人殺しのほうがいいなあ、とも思いますが、そういう方向ではこの作品の映像化は二番煎じになりますから、これはこれで大正解ではないかと思います。

オンデマンドでも見ることが出来るようですので、クリスティの愛読者には、ひと味違う映像化としてお勧めの一編ではないかと。

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2010/04/01

2010年3月に見た映画

ワールド・オブ・ライズ
BODY OF LIES
監督:リドリー・スコット
出演:レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ、マーク・ストロング

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2010/02/01

2010年1月に見た映画

ベンジャミン・バトン 数奇な人生
THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、ジャレッド・ハリス

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2010/01/01

12月に見た映画

ハリー・ポッターと謎のプリンス
Harry Potter and the Half-Blood Prince
監督:デビッド・イェーツ
出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム・カーター、アラン・リックマン、マギー・スミス

オーストラリア
AUSTRALIA
監督:バズ・ラーマン
出演:ニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマン、ブランドン・ウォルターズ、デビッド・ウェナム

マルタのやさしい刺繍
DIE HERBSTZEITLOSEN
監督:ベティナ・オベルリ
出演:シュテファニー・グラーザー、ハイディ・マリア・グレスナー、アンネマリー・デュリンガー、モニカ・グブザー

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2009/11/14

ちあきなおみの世界

NHK-BS2の『歌伝説・ちあきなおみの世界』を見る。このNHK特集は2005年にはじめて放映されてから、アンコールが多く、もう6回も再放送されているらしいのだが、わたしは今回はじめて見た。いやあ、よかったなあ。
じつは池内紀さんがエッセイで、6枚組CD-BOXの『ちあきなおみ・これくしょん ねえあんた』を絶賛しているのをだいぶ前に読んで、そのとき、聴いてみようと思いながら、例によっていそがしさにまぎれてそれっきりになっていたのを思い出したのであります。
今回の番組では、「ねえあんた」はノーカットで流されて、いや、わたしは恥ずかしながら、ほとんど号泣してしまいましたがな。(笑)これはもちろんコンサートがベストなんでしょうが、映像で見ても、こころを激しくゆさぶられますね。
YouTubeでも、『たけしの誰でもピカソ』で使った「ねえあんた」を見ることができますが(ここ)、画質、音質、ということでなしに、今回のNHKのバージョンのほうが断然いいですね。なにより、歌に入る前のちあきなおみの語り(これがまた素晴らしい)からいきなりステージに横座りになる演出がすごい。
ああ、来週のちあきなおみ特集も見なければ。(笑)

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